研究課題
1.SCIDマウス感染実験系の作成:SCID-Boマウス(ウシ赤血球を移入したSCIDマウス)を作製し、緑色蛍光タンパク質(GFP)安定発現Babesia bovis(GFP発現原虫)の感染実験をおこなった。SCID-Boマウスでの原虫感染赤血球比率(寄生率)は、感染赤血球の接種後4日目には10%に達し、その後低下した。共焦点レーザー顕微鏡を用いたライブイメージング観察により、肺や肝臓等マウス諸臓器においてGFP発現原虫が観察され、赤血球外において滑走運動を行うメロゾイトも観察された。SCID-Boモデルは今後メロゾイトの滑走運動を解析する上で有用なツールと成り得ると考えられる。2.チオレドキシンペルオキシダーゼ(BbTPx-1)遺伝子ノックアウトB. bovisの表現型観察: BbTPx-1遺伝子ノックアウト原虫(BbTPx-1 KO)のin vitro増殖を野生型(WT)と比較した。BbTPx-1 KO は無処理培地でのin vitro培養においてWTと同等に増殖した。培地へパラコート(活性酸素ドナー)を添加すると、BbTPx-1 KOの増殖は阻害されたが、その程度はWT と同等であった。一方、培地へのニトロプルシドナトリウム(活性窒素ドナー)添加において、BbTPx-1 KOの増殖は、WT に比較して有意に阻害された。このことから、BbTPx-1の活性窒素種(RNS)還元における役割が考察された。
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The Journal of Veterinary Medical Science
巻: 76(1) ページ: 139-143
10.1292/jvms.13-0274
http://www.obihiro.ac.jp/~tryp/index.html