研究課題
本提案では、血管内皮細胞が産生する細胞膜断片(ミクロパーティクル)がプロスタグランジン(PG)を中心とした脂質メディエーターを産生することで炎症を制御していると仮説立て、その証明と病態治療への応用を目指し、研究を行った。平成24年度は、血管内皮細胞から産生されるミクロパーティクルがPG産生能を有していることを明らかにした。平成25年度は、この細胞膜断片内におけるPG産生機構の解明と、その炎症調整能について検討を行った。平成25年度に得られた結果を以下に記述する。① ブラジキニンやカルシウムイオノフォアといった細胞内カルシウム上昇を引き起こす刺激を加えて単離してきたミクロパーティクルの中にPG産生複合体(各合成酵素や細胞膜構造タンパク質)が存在しており、それらの活性が上昇していることを確認した。また、これらの活性を抑制すると、ミクロパーティクルからのPG産生能が低下することを明らかにした。② 単離内皮細胞から刺激・単離したミクロパーティクルをマウスの肺に投与すると、強い炎症を引き起こすことを明らかにした。一方で、上に記述したPG産生複合体の活性阻害を行ったミクロパーティクルを処置しても肺炎はほとんど起こらないことが明らかとなった。
すべて 2014 2013 その他
すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 7件) 学会発表 (17件) 備考 (1件)
Development
巻: 141 ページ: 1465-72
J Immunol
巻: 192 ページ: 459-65
Heart Vessels
巻: in press ページ: in press
J Pharmacol Exp Ther
巻: 348 ページ: 125-30
J Cell Sci.
巻: 126 ページ: 5541-52
Br J Pharmacol
巻: 170 ページ: 883-92
Arterioscler Thromb Vasc Biol
巻: 33 ページ: 1663-9
http://www.vm.a.u-tokyo.ac.jp/houshasen/