今後の研究の推進方策 |
平成24年度の研究を継続しつつ、下記の2点の項目を追加する。 (1)作用機序の解明:NU1とNU2の中枢投与による神経様作用が、ムスカリン受容体拮抗薬のメチルスコポラミンの前投与、あるいは非選択性βアドレナリン受容体拮抗薬のチモールの前投与によって阻止されるのか否かを検討する。側脳室にステンレスチューブを装着したラットを用いて、メチルスコポラミンあるいはチモールを末梢投与し、投与20分後にNU1とNU2を側脳室投与する。投与後、経時的に体温、血圧、心拍数を測定する。一方で、それぞれの効果についての作用機序の解明を行う。例えば体温の上昇作用については、NU1とNU2投与後に褐色脂肪を取りだし、β3アドレナリン受容体やUCP1のmRNA発現量を調べ、褐色脂肪の熱生産が原因であるのか否かなどを検討する。摂食亢進作用については、投与後の視床下部においてNPY, Agrp, hypocretin, POMC, CART, MCH, CRHなど摂食関連ペプチドのmRNA発現をリアルタイムPCRで測定する。 (2)局在部位の解明:前駆体からMU1とNU2とニューロメジンUあるいはSが切り出される(プロセッシングを受ける)場合に、神経核に特異的に切り出す可能性がある。そのためニューロメジンUとNU1あるいはニューロメジンSとNU2が必ずしも同じ組織で発現しているとは限らない。そこで、神経核をパンチアウトし、それぞれのmRNA発現量を測定する。また抗体による免疫染色で局在部位を検索する。
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