研究実績の概要 |
民間養豚場の豚舎について発泡消毒と煙霧消毒法を取り入れ、複合次亜塩素酸系消毒剤、過酸化物およびアルデヒド製剤の各組み合わせで実施し、3日間と7日間の5つの工程で洗浄・消毒を行い、オールアウト(AO)後(洗浄・消毒前)およびオールイン(AI)前(洗浄・消毒後)の豚舎床などを拭き取り検体とし、効果比較試験を行った。一般細菌、大腸菌群、ウェルシュ菌、サルモネラ属菌について培地への直接塗抹による菌数測定を行った。また、7日間洗浄・消毒法を採用してAI・AO時の採材を行い、洗浄・消毒の効果をモニタリングした。結果、7日間洗浄・消毒法では、一般細菌は平均99.99%以上、大腸菌群は90.79%減少し、3日間より7日間洗浄・消毒法の方が細菌の減少がみられた。 本年度は、殺菌素材MaSSCによる豚舎内微生物の低減化試験を行った。試験は2つのウィンドゥレス豚舎を用いて、約1カ月間ずつ計2期間にわたり実施した。試験豚舎にはMaSSC製品(5種)を設置した。まず、 試験期間中、全てのMaSSC製品を稼働させた(試験Ⅰ)。次に、ソーラーリアクタを循環式に改良し稼働させた(試験Ⅱ)。結果:試験Ⅰ: 浮遊微生物 [個/0.19 L]や浮遊粒子状物質 [個/0.19 L] 、床面付着菌(log10CFU/10 cm2)の試験群(対照群)はそれぞれ163.2±1.3(494.9±5.3) 、2,980.1±26.2 (13,800.6±124.2) 、3.5±0.4 (5.5±0.9)であった(平均値 ± SE、p<0.01)。試験Ⅱでは、それぞれ215.0±1.8 (301.5±1.6) 、2,099.7 ± 20.6 (3,955.8 ± 39.0)および4.1 ± 0.01 (7.6 ± 0.1)であった。殺菌素材MaSSC使用により、豚舎内微生物が低減化された。
|