研究課題/領域番号 |
24658283
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
竹田 篤史 立命館大学, 生命科学部, 准教授 (60560779)
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キーワード | アラビドプシス / ゲノム改変 / TALE / TALEN / TALER |
研究概要 |
今年度は、TALERおよびTALENを作出するための骨格ベクターの構築を行った。TALER作製用には、植物でリプレッサーとして用いられているSRDXペプチドを付加した骨格ベクターを構築した。TALEN作製用には、制限酵素FokIのDNA切断ドメインの切断効率を高めたSharkyを付加したベクターを構築した。このベクターのSharky中には、ホモダイマーによるオフターゲット効果を防ぐためにDS、およびRRのアミノ酸置換を導入する工夫を施した。 TALENを発現する遺伝子組換え植物を作出する際には2種類のTALENサブユニットを発現させる必要がある。通常、植物細胞で外来遺伝子を過剰発現させる際には、カリフラワーモザイクウイルス(CaMV)の35Sプロモーターを使用する。しかし、CaMVの35Sプロモーターが複数コピー存在すると転写レベルでのサイレンシング、Transcriptional gene silencing (TGS)が誘導されてしまい外来遺伝子の発現が抑制される。このTGS誘導の問題を回避しつつ、2種類のTALENサブユニットを安定的に過剰発現させるために、CaMVの近縁ウイルスのフルレングスプロモーターを利用したTALEN形質転換用ベクターを構築した。平成26年度にTALEN発現植物の世代をまわし、次世代以降でも安定的にTALENを発現させられるかどうかを検証する予定である。 アラビドプシスのmiR162、miR168を破壊するためのTALENプラスミドの設計と構築を完了した。平成26年度にはこれらのmiRNA破壊株を単離し、機能解析を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成25年4月に立命館大学生命科学部に准教授として着任した。研究設備の移設、研究室の新規立ち上げ、4年生1名のみの研究体制などの事情が重なり、当初計画と比べて進展が送れてしまったため、「(3)やや遅れている」と自己評価した。
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今後の研究の推進方策 |
着任2年目となり、研究室の立ち上げは完了した。本研究課題の最終年度は、修士1名、学部4年生4名、申請者の計6名体制で本研究に取り組む計画である。2年目の遅れを取り戻し、計画書に沿う形で研究を推進したいと考えている。具体的には昨年度に引き続き、(1) Nicotiana benthamianaにおけるTALERの機能解析、(2)N. benthamianaにおけるプロモーター領域とTALER活性の関係の調査、(3)TALER発現遺伝子組換えアラビドプシスの作出とその組み換え体の機能解析、(4)N. benthamianaにおけるTALEN活性の確認、(5)TALEN発現遺伝子組換えアラビドプシスの作製、(6)N. benthamianaにおけるTALEN発現組み換え植物の作出を進めて行く計画である。
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