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2013 年度 実績報告書

細胞内へのタンパク質トランスポートシステムの試作

研究課題

研究課題/領域番号 24658284
研究機関東京農工大学

研究代表者

西河 淳  東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (30218127)

キーワードドラッグデリバリーシステム / ボツリヌス毒素
研究概要

ボツリヌス神経毒素(NTX)は、複数の無毒のタンパク質と結合した巨大な複合体構造をしており、無毒成分は経口接種されたNTXの体内循環系への移行に重要な役割を果たしている。また、NTXも細胞質内で毒性を発揮するプロテアーゼドメイン(NTXLc)、標的神経細胞表面のレセプターに結合するドメイン、孔形成ドメイン(NTXHc)の三つからなり、NTXLcが他のドメインとS-S結合で繋がった二本鎖ポリペプチド構造をしている。無毒成分により体内循環系に移行したNTXは神経細胞表面のレセプターに結合し、エンドサイトーシスで細胞内に取り込まれた後、孔形成ドメインが構造変化を起こし、エンドソーム膜に孔を形成してプロテアーゼを細胞質内に注入して細胞機能を破壊する。そこで本研究では、この一連の毒素細胞内移行機能を応用して、毒素プロテアーゼの代わりに有用タンパク質を細胞質内に効率よく注入する細胞内へのタンパク質トランスポートシステムの試作を行い、新たなDDSの創製に向けチャレンジするものである。
本年度は、昨年度に引き続きこのトランスポートシステムがうまく動作しているかを検証するためのTEVプロテアーゼ感受性FRETシステム構築の検討を行った。具体的には、GFP2とRFPのcDNA間に種々の長さのリンカーとTEVプロテアーゼ切断サイトを組み込んだ融合タンパク質を培養細胞に発現させ、細胞ホモジネートにTEVプロテアーゼを作用させて効率よくFRETが観察される融合タンパク質発現プラスミドを試作検討し、得られた最適融合タンパク質を恒常的に発現する細胞株の樹立を現在試みている。
また、NTXを利用したDDSにおいてその改変NTXを体内に移行させるために改変NTXと無毒成分との複合体の形成が一つの重要なポイントであることから、複合体とNTXとの立体構造の解析も行った。その課程で、C型毒素複合体の無毒部分の立体構造を明らかにすることが出来たため、本研究の一つの成果として学会と論文で公表した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 87. Purification, crystallization and preliminary X-ray analysis of a HA17-HA70 (HA2-HA3) complex from Clostridium botulinum type C progenitor toxin.2014

    • 著者名/発表者名
      Chikako Iwasa, Takashi Tonozuka, Masaya Shinoda, Yoshimasa Sagane, Koichi Niwa, Toshihiro Watanabe, Hiromi Yoshida, Shigehiro Kamitori, Toshifumi Takao, Keiji Oguma, Atsushi Nishikawa
    • 雑誌名

      Acta Crystallographica

      巻: F70 ページ: 64-67

    • DOI

      10.1107/S2053230X13032378

    • 査読あり
  • [学会発表] C型ボツリヌス毒素複合体構成成分HA2-3複合体の構造と機能の解析2013

    • 著者名/発表者名
      岩佐知可子、殿塚隆史、篠田昌也、中村智美、中北愼一、神鳥成弘、小熊惠二、西河淳
    • 学会等名
      日本生化学会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜
    • 年月日
      20130911-13
  • [図書] Glycoscience: Biology and Medicine (Naoyuki Taniguchi, Tamao Endo, Gerald Hart, Peter Seeberger, Chi-Huey Wong (Eds.))2014

    • 著者名/発表者名
      Takashi Tonozuka, Keiji Oguma, Atsushi Nishikawa
    • 総ページ数
      300
    • 出版者
      Springer

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公開日: 2015-05-28  

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