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2013 年度 実施状況報告書

鉄硫黄クラスター含有架橋酵素の機能解析と新規環状生理活性ペプチドの創製

研究課題

研究課題/領域番号 24658288
研究機関大阪大学

研究代表者

岡島 俊英  大阪大学, 産業科学研究所, 准教授 (10247968)

キーワード環状ペプチド / チオエーテル架橋 / 鉄硫黄クラスター / プロテアーゼ阻害剤
研究概要

環状ペプチドライブラリーの構築に用いる上で、発現量と反応性に優れたORF2およびγサブユニットのクローンを得るため、今年度新たにグラム陽性細菌Geobacillus thermoglucosidans由来クローンの遺伝子合成と発現構築を行った。大腸菌共発現系において、両タンパク質とも著量、可溶性画分に発現した。ヨードアセトアミド処理し、質量分析した結果、γサブユニットの架橋形成は細胞内で完全には起きていないことが判明した。しかし、ORF2・γサブユニット複合体を嫌気下精製し、試験管内で鉄イオウクラスターを再構成すると、ジチオナイト・S-アデノシルメチオニン添加によって、架橋形成が完結することがわかった。反応性において大きな優位性はなかったが、ORF2単独でも可溶性画分への発現が可能であること、3カ所の架橋をもつ他の多くのγサブユニットとは異なり4カ所の架橋形成がおきることが判明した。また、Paracoccus denitrificans ORF2において、ホモロジーモデリングによってORF2・γサブユニット複合体の立体構造を予測することに成功した。ポケット構成残基を改変して、架橋の際のループ配列やその長さを改変するために、重要な情報を得た。
短縮型γサブユニットのランダム化を含む配列改変に関しては、1) 3本のオリゴヌクレオチドを用いたPCR連結法と、2)2本の長鎖オリゴヌクレオチドをアニールし、DNA合成酵素によって間隙を埋める方法の2通りの方法を実施した。1)では、特にランダム化した場合に予定外の変異が導入されたのに対して、2)ではほぼ安定して、プロテアーゼ認識配列など予定通りの各種配列をもつ短縮型γサブユニットを構築することができた。様々な配列の短縮型γサブユニットを構築するための手順を決定することができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

架橋形成反応の基質となる短縮型γサブニットの配列を自由に改変する方法論を確立することができた。また、ORF2・γサブユニット複合体の立体構造モデルによって、ポケットサイズやループ形成残基の特性を大きく改変することが可能となった。

今後の研究の推進方策

試験管内環状ペプチドライブラリー構築に向けて、まだ実施できていないTEVプロテアーゼ切断部位の導入を短縮型γ発現プラスミドに行う。さらに、プロテアーゼ阻害剤スクリーニングに向けて、各種の手法を試みる。ORF2タンパク質の結晶化と立体構造決定は引き続き実施する。

次年度の研究費の使用計画

物品費を想定よりも節約できたために、小額の次年度繰越金が発生した。
繰越金に関しては、プラスミド構築のためのオリゴヌクレオチド購入費とORF2タンパク質結晶化用の試薬に重点的に利用したい。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Identification of Genes Essential for the Biogenesis of Quinohemoprotein Amine Dehydrogenase.2014

    • 著者名/発表者名
      T. Nakai, T. Deguchi, I. Frébort, K. Tanizawa, and T. Okajima
    • 雑誌名

      Biochemistry

      巻: 53 ページ: 895-907

    • DOI

      10.1021/bi401625m

    • 査読あり
  • [学会発表] ペプチド分子内チオエーテル架橋形成酵素によるマルチサイト架橋形成反応の解析2013

    • 著者名/発表者名
      中井忠志, 伊藤寛人, 岡島俊英, 小林一雄, 高橋康弘, 堀洋, 鍔木基成, 谷澤克行
    • 学会等名
      第86回日本生化学会大会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      20130911-20130913

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公開日: 2015-05-28  

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