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2014 年度 実績報告書

鉄硫黄クラスター含有架橋酵素の機能解析と新規環状生理活性ペプチドの創製

研究課題

研究課題/領域番号 24658288
研究機関大阪大学

研究代表者

岡島 俊英  大阪大学, 産業科学研究所, 准教授 (10247968)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード鉄硫黄クラスター / チオエーテル架橋 / 環状ペプチド
研究実績の概要

キノヘムプロテイン・アミン脱水素酵素(QHNDH)オペロンにコードされたORF2 タンパク質は、QHNDHのγサブユニットにおいて酸性残基とCys 残基の間に分子内チオエーテル架橋を形成し、5-8 残基をループアウトした多環状構造を作り出す。このORF2 タンパク質の機能解明と環状ペプチドライブラリーの構築を行うため、嫌気条件下において、同タンパク質を精製し、鉄硫黄クラスターを再構成することによって活性フォームを得ることに成功した。試験管内において、精製ORF2タンパク質を用いて、短縮型および全長γサブユニットにチオエーテル架橋を形成させ、その活性を質量分析によって検出する方法を開発した。最終年度においては、構造情報を得るために、ホモロジーモデルを構築し、ラジカルによる反応機構および連続的な架橋形成に関して、重要な情報を得た。研究成果は新しいラジカルSAM酵素の反応形態を解明しており、J. Biol. Chem. 誌に投稿論文が掲載されるなど国内外で高く評価されている。また、環状ペプチドライブラリーの構築に用いる上で、発現量と反応性において優れたORF2およびγサブユニットのクローンを得るため、これまでの2種に加え、さらに2種類の細菌種に由来するORF2およびγサブユニットの発現系を構築し、前述の試験管内アッセイ法によって、その活性を評価した。また、最終年度にかけてPCRを利用したランダム化ライブライリーの効率的な構築の方法論を確立することができた。鉄硫黄クラスターの再構成を行えば、十分な架橋活性をもつORF2タンパク質を得られるので、試験管内におけるプロテアーゼ阻害活性を有する環状ペプチドの試験的なスクリーニングを行うことが可能となった。架橋ランダム化ペプチドライブラリーは、様々な機能性を付与できる可能性があり、ペプチドのコンビナトリアルケミストリーを進展させる重要な成果といえる。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] The Radical S-Adenosyl-L-methionine Enzyme QhpD Catalyzes Sequential Formation of Intra-protein Sulfur-to-Methylene Carbon Thioether Bonds2015

    • 著者名/発表者名
      Tadashi Nakai, Hiroto Ito, Kazuo Kobayashi, Yasuhiro Takahashi, Hiroshi Hori, Motonari Tsubaki, Katsuyuki Tanizawa, and Toshihide Okajima
    • 雑誌名

      The Journal of Biological Chemistry

      巻: 290 ページ: 11144-11166

    • DOI

      doi:10.1074/jbc.M115.638320

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] キノヘムプロテイン・アミン脱水素酵素γサブユニットの多段階翻訳後修飾機構2014

    • 著者名/発表者名
      岡島 俊英、中井 忠志、出口 貴文、谷澤 克行
    • 学会等名
      第37回日本分子生物学会年会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2014-11-25 – 2014-11-27
  • [学会発表] 多段階翻訳後修飾および膜輸送を伴うキノヘムプロテイン・アミン脱水素酵素の生合成プロセス2014

    • 著者名/発表者名
      中井 忠志、出口 貴文、 谷澤 克行、岡島 俊英
    • 学会等名
      第87回日本生化学会大会
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      2014-10-15 – 2014-10-18
  • [学会発表] Complete journey of quinohemoprotein amine dehydrogenase from genes to periplasm2014

    • 著者名/発表者名
      T. Nakai, T. Deguchi, K. Tanizawa, and T. Okajima
    • 学会等名
      The fourth international conference on cofactor (ICC-04)
    • 発表場所
      イタリア、パルマ
    • 年月日
      2014-08-25 – 2014-08-28

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公開日: 2016-06-01  

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