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2012 年度 実施状況報告書

感作ダニアレルゲン特異的IgEミモトープ抗体誘導体の開発

研究課題

研究課題/領域番号 24658291
研究機関広島大学

研究代表者

小埜 和久  広島大学, 先端物質科学研究科, 教授 (10144883)

研究分担者 河本 正次  広島大学, 先端物質科学研究科, 准教授 (90294537)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2014-03-31
キーワードIgEミモトープ / ダニアレルゲン
研究概要

若年化傾向を伴い急増するアレルギー性疾患は社会問題化しているが、現行の対症療法、免疫療法はともに多くの問題点を抱えている。そこで本研究では、FcγRIIb から負のシグナルを入れることにより、感作アレルゲンにより惹起される過剰な免疫応答のみを特異的に抑制するIgE ミモトープ-Fcγ誘導体を調製してワクチンライブラリーを構築すると共に、テーラーメイド型免疫療法を実現するための基盤を整備することを目的としている。
本年度はダニアレルゲンのIgEミモトープ取得への端緒として主要抗原Der f 2をモデルアレルゲンとした要素技術の開発を試みた。まずダニアレルギー患者血清よりDer f 2特異的IgG抗体をプロテインGカラムとDer f 2固定化アフィニティーカラムを用いた2ステップのアフィニティークロマトグラフィーにより精製した。得られたDer f 2特異IgGをプローブとしてランダムペプチドライブラリーをスクリーニングし、本抗体により認識されるDer f 2特異的ミモトープペプチドを複数同定した。これらのIgGミモトープペプチドをダニアレルギー患者由来のDer f 2特異IgEをプローブとしたELISA inhibitionによる二次スクリーニングに供したところ、得られた全てのペプチドがDer f 2特異的IgEとの結合活性を有していることが判明した。以上の結果から、本法がアレルゲン特異的IgEミモトープライブラリーの構築に極めて有用であることが示唆された。更にDer f 2特異的IgEミモトープペプチドの一次構造をDer f 2の一次/立体構造と比較解析したところ、Der f 2分子表面の特定の位置に帰属するリニアエピトープと思われるペプチドが観察されたほか、相同性を示さないコンフォメーショナルエピトープの取得に成功している可能性も示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度においてアレルゲン特異的IgEミモトープの取得に対する要素技術を確立できた点は非常に大きく、当該ミモトープライブラリーの作製効率も飛躍的に高まることが期待できる。Fcγ誘導体の調製についても基盤整備を進めつつあり、おおむね順調に進展していると判断できる。

今後の研究の推進方策

主要なアレルゲン分子種に対して特異性の高いIgEミモトープ発現ファージを取得して、ライブラリーの充実を図りつつ活性を評価していく。また、各アレルゲンについて選択したIgE認識ミモトープ遺伝子をFcγ遺伝子に連結してアレルゲン特異的IgEミモトープ-Fcγ遺伝子ライブラリーの充実を図ると共に、組換え型IgEミモトープ-Fcγ誘導体の動物細胞等における発現系を構築する。更に、感作アレルゲン刺激により過度に活性化した免疫細胞をアレルゲン特異的に抑制する活性を指標として、感作アレルゲン特異的IgEミモトープ-Fcγ誘導体のワクチンとしての活性を評価していく。先行する感作アレルゲン特異的IgEミモトープ-Fcγ誘導体については、糖鎖のヒト型への変換、あるいは末端へのシアル酸導入等の糖鎖工学的改変を試みると共に、当該改変型誘導体におけるワクチン活性増強の有無検証等を基調として免疫療法に資する知見を蓄積していく。

次年度の研究費の使用計画

本年度においては研究が極めて順調に進捗したため物品費(消耗品費)に残額が生じた。当該研究費については次年度における消耗品費として使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Development of molecular diagnostic system with cedar pollen IgE mimotopes2013

    • 著者名/発表者名
      Masashi Majima
    • 学会等名
      EAACI-WAO Congress 2013
    • 発表場所
      イタリア(ミラノ市・ミラノコンベンションセンター)
    • 年月日
      20130622-20130626

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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