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2012 年度 実績報告書

ねじれた平面を有するキラルシアニン色素の開発

研究課題

研究課題/領域番号 24659001
研究機関東北大学

研究代表者

山口 雅彦  東北大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (30158117)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2013-03-31
キーワード合成化学 / 超分子化学 / 生体分子 / 薬学 / 有機化学 / シアニン / 包薬
研究概要

本研究ではヘリセンを含むキラルなシアニン色素およびインジゴ誘導体の合成法を開発して,基礎的な化学的,物理的性質を系統的に調べた.
1.光学活性シアニンの合成と構造  大量合成可能な光学活性(M)-ジカルボン酸から一方のカルボキシル基のみを変換してモノチオラクタムを合成した.これをS-メチル化した後,メルドラム酸を作用させる方法でメチル化したイミニウム塩を得た.さらに塩基性条件下でオルトギ酸メチルを反応させて,対称な(M,M)-シアニンを合成した. これは緑色を呈した化合物であり,NMR, UV-vis, MSなどの各種スペクトル法で構造を確認した.
2.光学活性シアニンの環境応答性  シアニン色素は近赤外領域に吸収をもち,緑色を呈した.加えて,顕著な溶媒効果を示した.トルエン,クロロホルム,クロロベンゼンなどの溶液中では720 nmに極大吸収を与えたが,例外的にブロモベンゼンとヨ-ドベンゼン中では810 nmに新たな極大吸収を与えた.これはソフトな芳香族溶媒と相性のよいヘリセンの特徴が示されたものである.また,加熱すると吸収が弱くなった.分解していないことをTLCで確認したので,これはコンフォーメーション変化によるものと考えられる
3.光学活性インジゴ誘導体の合成  キラルな色素であるシアニンに関連して,インジゴ色素の誘導体であるキラルなRussig Blueを合成した. 先に得られていた(M)-キラルナフタレンを塩基性条件下で空気酸化すると二量化を起こし,キラルな(M,M)-Russig Blueを与えた.また,カップリング法を工夫して,立体異性体である(M,P)-Russig Blueも合成した.いずれも青色を呈し,塩基性条件下では赤紫色に変化した.X線構造解析によって,異性体で共役系の形状が大きく異なることもわかった.

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 1,8-ジ(アダマンチル)ナフタレン骨格を有するキラルRussig's Blueの合成

    • 著者名/発表者名
      山本 浩司・小林 雄太・山口 雅彦
    • 学会等名
      日本化学会第93春季年会(2013)
    • 発表場所
      滋賀

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公開日: 2014-07-24  

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