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2012 年度 実施状況報告書

酸化還元刺激に応答してマクロな運動出力ができる分子マシンの創製

研究課題

研究課題/領域番号 24659003
研究機関京都大学

研究代表者

高須 清誠  京都大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (10302168)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2014-03-31
キーワードキノン / 水素結合 / 分子スイッチ / アミド
研究概要

キノン/ヒドロキノン類は自然界に広く存在する化学種であり、生体内では電子伝達系において生命活動の維持に重要な役割を担っている。これらは酸化還元により可逆的に相互変化することを特徴としている。ところで、キノンおよびヒドロキノンは、それぞれ水素結合受容体および水素結合供与体として働きうると考えられる。我々は、キノン/ヒドロキノンの水素結合に関する特徴的な性質を利用し、単結合の回転異性を制御しうる分子の設計を試みた。
水素結合の相手としてアミドを選び、任意の位置にアミド結合を導入したナフトキノンおよびヒドロナフトキノンを設計し、計算科学的にそれぞれの最安定構造を求めた。また、合成品についてX線結晶構造解析ならびに各種NMR、IRを測定することで水素結合の様式ならびに分子構造について解析した。その結果、予想通りキノン体ではキノンのカルボニル基とアミドNHと水素結合をしており、一方でヒドロキノン体ではフェノール性水酸基とアミドカルボニル基が水素結合をしていることが分かった。すなわち、芳香環とアミドの間の単結合の回転は抑制され、単結合に関するトランス・シスの幾何異性(S-cis/S-trans)が逆転していることが明らかになった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本研究の基盤となるアミドの自由回転の制御および、キノン体⇔ヒドロキノン体での側鎖の向く方向の制御は予定通り達成できた。今後分子集合体の創製を前提としているが、当初予定していたキノン誘導体合成のための化学修飾が困難であることが明らかとなった。特にキノン体の水や塩基、酸に対する安定性と反応性の化学構造に対する相関を明確にせねばならない。

今後の研究の推進方策

今年度より、モノマー分子のスキャフォールドをナフトキノンからフェナンスラキノンに変更することとした。現在合成法を検討しているところだが、これまでの知見より安定性は増すものと予想している。早期にモノマーの合成を終え、当初予定だった分子集合体の作成を急ぐ。

次年度の研究費の使用計画

該当なし

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2013 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] pH-sensitive DNA cleaving agents: in situ activation by ring contraction of benzo-fused cyclobutanols2013

    • 著者名/発表者名
      Nagamoto, Y.; Hattori, A.; Kakeya, H.; Takemoto, Y.; Takasu, K.
    • 雑誌名

      Chem. Commun.

      巻: 49 ページ: 2622-2624

    • DOI

      10.1039/c3cc39246e

    • 査読あり
  • [学会発表] 水素結合を利用するキノン/ヒドロキノン類の構造変化に関する研究2013

    • 著者名/発表者名
      高須清誠、西野渉、山岡庸介、山田健一
    • 学会等名
      日本薬学会第133年会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(神奈川県)
    • 年月日
      20130327-20130330
  • [学会発表] 小員環の特性を活用する 刺激応答プロドラッグの創製

    • 著者名/発表者名
      高須清誠
    • 学会等名
      アステラス病態代謝研究会 第43回研究報告会
    • 発表場所
      経団連会館(東京都)
    • 招待講演

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公開日: 2014-07-24  

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