研究課題/領域番号 |
24659005
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
藤岡 弘道 大阪大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (10173410)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | カルボニル基 / アルデヒド / ケトン / エステル / アミド / ホスホニウム塩 / 求核付加 |
研究概要 |
カルボニル官能基(アルデヒド、ケトン、エステル等)に対する求核付加反応の順番は、アルデヒド、ケトン、エステルの順である。これは各官能基の本質的な反応性に由来する。そこで、例えば、より反応活性なアルデヒド存在下にケトンに求核付加を行うことは困難である。一方、我々はこれまでの研究で、ケトンとアルデヒド、またはケトンとエステルが共存する系で、より反応活性なアルデヒドまたはケトン選択的にホスホニウム塩を生成させ、またその反応性がリン原子上の置換基により大きく変わることを見出し、ホスホニウム塩をin situ保護基として利用して、アルデヒド存在下でのケトン、ケトン存在下でのエステルへの求核付加並びに求核置換反応をワンポットで起こすことに成功した。 そこで今年度はホスホニウム塩の反応性についてさらに検討し、アルデヒドまたはケトン存在下でのアミドへの求核付加反応に成功した。またより求核性の強いホスフィンを用いて、より安価な試薬を用いる、より実用的な反応開発への足掛かりを得ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
リン原子上の置換基により、アルデヒドまたはケトンから生成するホスホニウム塩の反応性が大きく異なることを利用して、反応性の逆転に成功し、アルデヒドまたはケトン存在下にアミドへの求核付加を行うことができる新規な反応を開発した。またより実用性の高い反応開発への足掛かりを得ており、さらに25年度の本研究につながる成果を得ている。
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今後の研究の推進方策 |
カルボニル基類の反応性の逆転、アルデヒドまたはケトン存在下でのアミドへの求核付加反応と、従来法では困難な新規反応の開発に成功したが、さらにリン原子上の置換基を選択することによりホスフィンの反応性を制御し、新規な反応開発を行う。また現在、足掛かりを得ている、より実用的な反応開発をさらに推し進める。
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次年度の研究費の使用計画 |
大部分は物品費に使用する。他には旅費である。人件費・謝金での使用は考えていない。
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