• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2012 年度 実施状況報告書

8-ニトログアノシンの選択的捕捉分子の開発

研究課題

研究課題/領域番号 24659008
研究機関九州大学

研究代表者

佐々木 茂貴  九州大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (10170672)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2014-03-31
キーワード8-ニトログアノシン / 酸化損傷塩基 / 8-オキソグアノシン / 8-ニトログアノシンモノリンリン酸 / 検出
研究概要

本研究では、水溶液中での8-ニトロGの認識を目指している。効果的な検出のため8-ニトロGのニトロ基の脱離能に着目し認識分子にチオールを導入した分子を合成し、共有結合により強固に結合した錯体形成を目指す。本年度はフェノキサジン骨格にウレア型側鎖をもつ分子を基本に、水溶液中で8-ニトロGに対して高い錯体形成能を有する分子の決定について検討した。さらに末端にチオール基を有するウレア型側鎖を結合させ、8-ニトロGとの反応性を調べ、付加体形成に最適な側鎖構造を検討した。
1.水中で8-ニトロGを特異的に検出する蛍光デバイスの開発: ウレア型フェノキサジンを持つヌクレオシド誘導隊を固相担体に導入したものを新たに数種検討したが、水中のdGには応答せず選択的に8-ニトロdGに高感度に応答したものの8-oxo-dGにも応答性を示した。
2.水系溶媒中で8-ニトロGとの特異的な付加体形成:チオール基を導入したウレア型フェノキサジン体において8-ニトロGと効果的に付加体を形成させるためのスペーサーの長さを検討し、メチレン3個(プロピル)が最適な長さであることが決定できた。
3.水中8-ニトロG 3’, 5’-モノリン酸を特異的に捕捉する分子の合成:リン酸アニオンを捕捉する分子としてサイクレン分子を選択し、アミノ基をtriBoc保護したのちアセチレン基を導入した。これと保護チオール基を持つウレア型フェノキサジン体の5‘位にアジド基を持つ誘導体を用いて銅触媒下のクリック反応を行いトリアゾール環で連結後、保護基を除去して認識分子を合成した。水中での認識を蛍光スペクトルで検出したところ、有効な錯体形成能を示した。さらに末端チオール基によるニトロ基の置換反応を調べたところ、付加体形成を確認した。
以上のことから平成24年度は研究の目的はほぼ計画通りに達成された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

概要に記したように、設定した3項目において研究を実施することができた。本研究のカギとなる水溶液中での8-ニトロG 3’, 5’-モノリン酸体との付加体形成にも成功しているので、計画はほぼ順調に進展していると判断できる。

今後の研究の推進方策

1. 水中で8-ニトロGを特異的に検出する蛍光デバイスの開発については、ウレア基に結合するユニットの検討を続ける。
2.水中8-ニトロG 3’, 5’-モノリン酸を特異的に捕捉する分子については、チオール求核性の向上が必要と判断された。そこで、求核性の高い芳香族チオールなどその他の求核剤を検討する。
3.リン酸基の認識構造を最適化するため、ヌクレオシド構造とサイクレン分子との間のスペーサー構造を検討する。

次年度の研究費の使用計画

平成25年度は、研究費は備品設備などの購入には使用せず、試薬類などの消耗品、国内旅費および英文校正、論文投稿に使用する計画である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 水中で8-オキソグアノシントリリン酸を特異的に認識する8-oxoG-clamp誘導体の合成と評価2013

    • 著者名/発表者名
      渕 靖史
    • 学会等名
      日本薬学会第133年会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      20130327-20130330

URL: 

公開日: 2014-07-24  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi