本研究では、水溶液中での8-ニトロGの認識を目指し、ニトロ基の脱離能に着目し認識分子にチオールを導入した分子を合成し、共有結合により強固に結合した錯体形成を検討した。フェノキサジン骨格にウレア型側鎖をもつ分子を基本に、水溶液中で8-ニトロGに対して高い錯体形成能を有する分子として、最も効果的な反応性をもつ炭素数3個のチオール体を決定した。 水中で8-ニトロG 3’, 5’-モノリン酸を特異的に捕捉するため、サイクレン分子を導入した認識分子を合成し、8-oxo-GTP認識をモデルとして検討した。その結果、糖鎖をもちクリック反応で結合したものが最も安定な錯体が形成できることを明らかにした。
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