研究課題
in vitroリン酸化反応とその後のリン酸化ペプチド濃縮により、タンパク質混合物試料中のタンパク質組成を自由に操作し、低発現量タンパク質の検出感度を向上させる新規手法を開発し、血清・血漿プロテオミクスに応用することを目的とし、前年度から引き続き検討を行った。高発現血清タンパク抗体カラムを用いて、ある程度高発現タンパクを除去したヒト標準血清試料を用い、本法による人工リン酸化血清プロテオームと対照試料である血清プロテオーム解析をショットガンプロテオミクスの手法を用いて行ったところ、今まで同定されたことのなかったサイトカイン類が同定可能となり、当初の目的を達成することができた。さらに、本法を定量系に適用すべく検討を行う過程で、人工リン酸化・リン酸化濃縮によって試料の複雑性が激減することにより定量性が著しく向上することが分かった。そこで、培養細胞を用いて、通常では定量が困難な低発現リン酸化ペプチドを標的とし、リン酸化濃縮・脱リン酸化・人口リン酸化タグ付加・リン酸化濃縮というステップに基づくターゲットペプチドの定量システムを構築した。様々なMSのデータ取得手法との組み合わせや高分離能LCとのカップリングでシステムを最適化し、シグナル伝達パスウェイ上の複数のリン酸化分子を同時に定量することを試みた。その結果、EGF刺激したHeLa細胞中で時間とともに変動するリン酸化分子の動態プロファイルを取得することに成功した。
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