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2012 年度 実施状況報告書

オンサイト分析可能な尿中セレン量の新規定量手法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 24659022
研究機関昭和薬科大学

研究代表者

小椋 康光  昭和薬科大学, 薬学部, 教授 (40292677)

研究分担者 阿南 弥寿美  昭和薬科大学, 薬学部, 講師 (40403860)
徳本 真紀  昭和薬科大学, 薬学部, 助教 (90614339)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2014-03-31
キーワードセレン / スペシエーション / テルル
研究概要

セレンは生体必須微量元素であるが、その要求量は極めて微量で、また毒性量と欠乏量が近接しているため適正所要量が狭いという特徴を有している。生体内のセレンの栄養状態は、セレンが尿中に排泄されることから、尿中のセレン量に反映されている。現在のところ、尿中に排泄される極微量のセレンを定量するためには、大掛かりな分析装置が必要である。申請者らのこれまでの成果から、適正所要量以下では、尿中に排泄されるセレンは、セレン含有糖という化学形態であることが示されている。そこで本研究では、レクチンを用いた機器分析に匹敵する高感度なセレン含有糖の分析手法を考案し、セレンの栄養状態を臨床現場等で、簡便にオンサイト分析できるような手段を開発することを目指している。
天然には数多くの特異性の異なるレクチンが存在しているが、当然のことながらセレン糖に特異性を示すレクチンは報告されていない。そこでまず24年度は、表面プラズモン共鳴装置(SPR)および誘導結合プラズマ質量分析装置(ICP-MS)といった機器分析を利用して、セレン糖に特異性を示すレクチンの探索を行った。まずは、セレン糖と構造上の類似性の高い糖を認識可能であるダイズレクチンについて解析を行った。SPRあるいはHPLC-ICP-MSを用いた方法により、このレクチンのセレン糖に対する反応性を定量的かつ定性的に分析を行ったが、残念ながら、反応性を確認するに至らなかった。一方本研究では、純度の高いセレン糖、安定同位体標識したセレン糖あるいは分析上の対照物質としてテルル含有アミノ酸が利用できると効率的に研究が進行するため、これら化合物の合成も初年度に行った。合成については、期待した純度および収率で目的とした化合物を得ることができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

文献調査に基づき選択したレクチンについて、2つの異なる機器分析法を用いて、その反応性を定性的かつ定量的に評価することができた。残念ながら、期待した反応性を確認することはできなかった。
分析上必要となる特殊な化合物の合成は、予定通りに実施することができた。

今後の研究の推進方策

次年度の実施計画として、ひとつは網羅的に可能性のあるレクチンについて、初年度に開発した評価法で虱潰しに探索していく方法も考えられるが、経済的あるいは時間的な効率性を考えると、適切ではないと判断している。そこで、文献調査に基づき、ある程度候補を絞った上で、検討することを想定している。
また、初年度の最後に、分析系を微量化するために培養細胞を用いた新しい評価系を構築し始めたが、この際に従来の代謝系では説明できない代謝物を見出した。本研究を実施する上でも、この新規代謝物の同定は有用な情報を与えると考えられるため、状況に応じて、この代謝物の分析も併せて行う。

次年度の研究費の使用計画

当初の計画に変更は無く、消耗品費、成果発表のための旅費および英文校閲のための謝金に支出する。
消耗品費については、当初の計画どおり、機器分析に必要なガス代、プラスチック器具や試薬の購入に充てる。当年度が本研究の最終年度となるため、できる限り成果発表に務めたいと考えている。併せて論文発表も構想しているため、英文校閲代金も計上した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] スペシエーションによるセレン及びテルルのメタボローム解析2013

    • 著者名/発表者名
      小椋康光
    • 雑誌名

      生化学

      巻: 85 ページ: 519-530

    • 査読あり

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公開日: 2014-07-24  

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