本研究で、生体膜リン脂質の脂肪酸組成が変わる分子メカニズム、その意義に関して解析を行った。まず、リン脂質のsn-1位の脂肪酸を分解する酵素の候補として、iPLA1aとiPLA1gに着目し、HeLa細胞をモデル細胞として、この細胞におけるiPLA1aとiPLA1gをRNA干渉法で抑制した際の脂肪酸組成を解析した。その結果、両酵素特に、iPLA1aは、リン脂質のsn-1のリモデリングに関与することが明らかとなった。また、iPLA1a発現抑制細胞では、ミトコンドリアの形態以上が観察された。以上より、iPLA1aによるリン脂質sn-1位のリモデリングがミトコンドリアの機能に重要であることが示された。
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