本研究において、真菌感染症の起因菌のアスペルギルス、及びCandida kruseiの体液内への注射により、カイコが殺傷されることを見出した。また、アスペルギルス感染カイコに対する、抗真菌薬の定量的な治療効果を評価できた。さらに、カイコにおける抗真菌薬の薬剤濃度推移を解析により、哺乳動物と同様な分布相と消失相の二相性がみられ、定常状態における半減期、及び、定常状態における分布容積についてもよく一致していた。カイコにおける抗真菌薬の治療効果と蛋白結合率の関係も、これまで知られている哺乳動物での結果とよく一致していた。従って、カイコを用いた真菌感染症に対する治療約の評価系が確立できたと考えられる。
|