研究概要 |
Gタンパク質共役型受容体(G-protein coupled receptor; GPCR)等の膜型受容体は、二量体化することにより重要な生理作用を示すことが明らかになってきており、また、創薬研究においてGPCR二量体が有用な標的となっている。申請者は以前に、GPCRのひとつであるケモカインレセプターCXCR4の二量化状態を選択的に認識する二価結合型CXCR4リガンドを創製しており、CXCR4を過剰発現する種々のがん細胞を特異的に認識することを見出している(T. Tanaka, et. al., J. Am. Chem. Soc. (Commun.), 132, 15899, 2010)。本研究では二価結合型CXCR4リガンドを基に、CXCR4が過剰発現した乳がん・小細胞肺がんを標的としたin vivoイメージング・分子プローブの創製研究を行った。具体的には、赤色~近赤外領域で吸収‐蛍光放出するシアニン系色素を導入し、CXCR4二量体に結合したときにのみ蛍光を発するスイッチオン・オフ型の化合物を合成した。
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