研究課題/領域番号 |
24659047
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
谷口 陽祐 九州大学, 薬学研究科(研究院), 助教 (00452714)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | oxorG |
研究概要 |
本研究課題では、RNA中のピンポイント酸化損傷に基づく新規診断法、治療法の創製に向けた、RNA中の8-oxoGの配列特異的な検出法の開発を目的とした。本年度は、RNA中の8-oxoG検出法の開発を目指し、DNA/RNA自動合成装置によりRNA中に導入可能な8-oxoGのユニットの合成を行った。既に報告例が有るのだが、報告データなどに不自然な点があり、さらに我々も同様の方法で合成を行ったが、目的の化合物を得ることはできなかった。そこで、新規の合成経路による合成を行い、目的の8-oxoGを含むRNAの合成に成功した。これを用いて、RNA/DNAヘテロ2本鎖の性質、RNA/RNA2本鎖の性質を調べた。その結果、RNA中の8-oxoGはDNA中と同じく、rCのみならずrAとも塩基対を形成する事を見出し、さらにrGとも比較的安定な塩基対を形成することも見出した。この事はこれまでに報告例が無く、RNA中の8-oxoGの性質に関して詳細に調べた事は初めての例である。更に、認識人工核酸を合成した。塩基の2位にアミノ基を有するアミノAdap、あるいは糖の2'位にメトシキ基を有する2’OMeAdapの合成に成功し、評価を行った。その結果、RNAホモプリン鎖中あるいはRNAホモピリミジン鎖中のどちらに8-oxoGが存在していても、8-oxoGとrGを区別可能なプローブの開発に成功した。さらに、蛍光消光作用も調べた結果、oxoG選択的に蛍光が消光する事も見出した。結果として、RNA中の8-oxoGの効率的な検出法の開発に成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでに効率的な合成方法が無かった8-oxorGを含むRNAの合成に初めて成功した。さらに、それの性質を明らかにすることに成功した。また、プローブ中に導入するAdap誘導体の合成にも成功した。
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今後の研究の推進方策 |
研究はおおむね順調にすすんでいるため、目的の達成に向けて研究計画を遂行していく。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度の使用額は1000円未満であり、ほぼ予定通りに使用し、翌年度の消耗品として使用する予定である。
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