ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)の細胞内局在性と機能発現との関連の解明を目的として、細胞内で局在的に活性を発現するHDAC阻害剤を合成した。細胞内の局所で活性を持たせる方法として光解除性ケージド化の手法を用いることとし、ケージドHDAC阻害剤の設計と合成を行った。合成したケージドHDAC阻害剤は、可視光照射により、光照射時間依存的にHDAC活性を阻害した。この結果は、光解除性ケージドHDAC阻害剤が、系外から細胞内の局所を光照射することにより細胞内局所的にHDAC阻害活性を制御しHDACの細胞内局在性と機能発現との関連の解明に役立つ有用なHDAC阻害剤となる可能性を示す。
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