研究課題/領域番号 |
24659054
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
黒崎 博雅 熊本大学, 大学院生命科学研究部, 准教授 (70234599)
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研究分担者 |
山口 佳宏 熊本大学, 環境安全センター, 准教授 (10363524)
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キーワード | 感染症 / 抗生物質 / 酵素 / 蛍光検出 / 院内感染 / ラクタマーゼ / βーラクタム剤 / 細菌検査 |
研究概要 |
本研究では、既存の方法とはまったく異なりメタロ-βーラクタマーゼ産生菌をその現場で、簡便・迅速に菌を培養することなく1個の菌をそのままでリアルタイム検出できる新規蛍光プローブの開発を目指した。具体的には、メタロ-βーラクタマーゼに特異的に結合する化合物をセファロスポリンに結合した蛍光剤を新規に合成し、メタロ-βーラクタマーゼを産生するグラム陰性細菌を実時間によって視覚化できる蛍光剤プローブを得ることを目的した。 平成25年度では合成した蛍光性セファロスポリンがメタローβーラクタマーゼ産生菌と非産生菌を蛍光強度差で判定できるかどうか検討した。実験方法:臨床分離株から単離されたメタローβーラクタマーゼ産生菌(IMP-1型メタロ-βーラクタマーゼを産生するE. coli株)および非産生菌(E. coli ATCC株)を平板培地で37℃で一晩培養した。ぞれぞれ1コロニーを採取し、液体LB培地(1.5mL)でOD=0.5になるまで37℃で培養した。集菌した菌体を蒸留水で3回よく洗い 10%メタノール水溶液900μlと10mM蛍光性セファロスポリン100μlを加え30分間インキュベートした。その後、菌体を遠心分離し、上清を取り除きを60%メタノール水溶液で菌体を洗った。最後に60%メタノール水溶液200μlを菌体に加え懸濁させ、その懸濁液1μlをスライドガラスの上にのせ、乾燥しないようにカバーガラスをマニキュアで封入したサンプルを落射型蛍光顕微鏡で観察し、蛍光強度の違いを調べた。 蛍光性セファロスポリンは蛍光の退色が速いものの明らかにメタローβーラクタマーゼ産生菌の方が非産生菌に比べ蛍光強度が強いことが分かった。本蛍光性セファロスポリンはメタロ-βーラクタマーゼ産生菌を迅速、簡便に検出することが期待される。
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