研究課題/領域番号 |
24659057
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 東京薬科大学 |
研究代表者 |
平野 和也 東京薬科大学, 薬学部, 講師 (80251221)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | ヌクレオリン / two-hybrid法 / タンパク質 |
研究概要 |
本研究では、シャトルタンパク質であるnucleolinに相互作用する分子、細胞外から細胞内への移行に関与する分子、シグナル伝達に関与する、新たな分子(タンパク質)を見出すために「nucleolin結合性の機能分子の探索」を行う。まず、1)「nucleolinの細胞内外の結合性機能分子の探索」について、①酵母two-hybrid法、② 免疫沈降法、③SPR法などの手法で、スクリーニングを行った。 1)-①酵母two-hybrid法による解析;nucleolinおよびnucleolin変異体のcDNAをbait側ベクターに導入し、prey側ベクターにヒト細胞cDNAを導入したライブラリー(調製品あるいは市販品)を用いて、nucleolinの細胞表面局在および細胞内移行に関与する細胞膜関連分子(タンパク質)の検出・同定を行なったところ、数種の候補分子を見いだした。 1)-②,③免疫沈降法、SPR法によるタンパク質間の結合性、相互作用の解析 現在までに、免疫沈降法、およびSPR法により、見出された候補分子について、直接的にnucleolinとの結合性、結合親和性を調べており、多くの候補分子は、直接的結合が確認された。 H25年度はさらに、、スクリーニングを行うとともに、候補分子とnucleolin との結合性、や相互作用について解析を進める予定である。 また、候補分子の中で、相互作用の結果、機能に変化を生じる分子があるかどうかにつて、検討しているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
すでに、two-hybrid法は確立しており、進めるにつれて、次々とnucleolin結合候補分子が見出されているところである。その後の解析が律速になっているが、ここまでは、おおむね順調に進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
nucleolin cDNAを用いて各種ドメイン(核局在シグナル配列や他の分子との結合領域)を欠失させた変異体を大腸菌あるいは酵母に発現させ、可溶性のrecombinant nucleolin (soluble forms)を作製する。 また既にnucleolinの細胞外リガンドとして知られている物質(ポリラクトサミン糖鎖、糖タンパク質、変性糖タンパク質、核酸)あるいは薬物(nucleolin結合性アプタマーAS1411およびペプチド性antagonist HB19等)とnucleolinが結合するのに必要なドメインについては、ほとんど不明である。そこでnucleolin変異体を各種作製し、nucleolin分子中の各リガンドとの結合に必要なドメインをフローサイトメトリ−法、SPR法(surface plasmon resonance法)を用いて同定する。
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次年度の研究費の使用計画 |
見い出された、nucleolin結合性タンパク質について、多面的に検討を加えた後、注目すべき分子(新規分子)については、さらに詳細なタンパク質相互作用についての解析を実施する。研究費は、酵母twohybrid系、候補タンパク質(レコンビナント体)、それらタンパク質に対するモノクローナル抗体、SPR法の固定チップ、哺乳動物細胞培養系その他それらの実験を遂行するために物品の購入、あるいは培養関連機器に充てる予定である。
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