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2013 年度 実績報告書

尿毒症物質とバイオマーカー探索におけるジレンマの解消

研究課題

研究課題/領域番号 24659062
研究機関東北大学

研究代表者

阿部 高明  東北大学, 医工学研究科, 教授 (80292209)

キーワード1-メチルアデノシン / 修飾核酸 / 急性虚血 / 腎機能障害 / 酸化ストレス
研究概要

慢性腎臓病患者の網羅的メタボローム解析で見つかったマーカーの個別測定系の立ち上げとして1-メチルアデノシンに対するLC-MS測定法、モノクローナル抗体作製によるELISAキット開発を行い臨床で手軽に多くのサンプルを測定してそのバリデーションを各種病態で検討した。その結果、心臓血管外科において、体外補助循環を用いて大動脈弓部置換術を施行した患者では1-メチルアデノシンの増加は再灌流後早期に濃度上昇を認め、またその増加は現在早期腎不全マーカーといわれている尿中KIM-1の増加よりも早期に認めた。一方、血清クレアチニンは測定した術中には濃度変化を認めなかった。
また一般住民1100人を対象とした大迫地域(現岩手県花巻市)のコホート研究調査において採取した血液の血清中1-メチルアデノシン濃度を測定し、予後との関係について検討した。その結果、m1A血中濃度が高い一般住民7年後には血圧や腎機能、 その他の要因に関係なく死亡率が約7倍も高い事が確認され、m1Aは生命予後のマーカーでもあることが明らかとなった。
本研究により高感度ELISA系が立ち上げられ、心臓血管外科手術において早期に腎機能のダメージを検出できること、また一般住民のコホート研究から血中濃度が高い一般住民7年後には血圧や腎機能、 その他の要因に関係なく死亡率が約7倍も高い事が確認され生命予後のマーカーでもあることが明らかとなったことは本研究の目標が達成されたと考えられる。さらに今後日本発の新たなバイオマーカーと測定系の創出という新たな診断技術の創出につながると考えられた

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2014 2013 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (2件) 産業財産権 (2件) (うち外国 1件)

  • [雑誌論文] Conformational Change in tRNA is an Early Indicator of Acute Cellular Damage2014

    • 著者名/発表者名
      Mishima E.
    • 雑誌名

      J. Am. Soc. Nephrol.

      巻: 確定 ページ: 確定

    • DOI

      10.1681

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Indoxyl sulfate down-regulates SLCO4C1 transporter through up-regulation of GATA2013

    • 著者名/発表者名
      Akiyama Y.
    • 雑誌名

      Plos One

      巻: 8 ページ: e66518 p1-p10

    • DOI

      10.1371/

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Mutation of the Mg2+ Transporter SLC41A1 Results in a Nephronophthisis-Like Phenotype.2013

    • 著者名/発表者名
      Hurd TW
    • 雑誌名

      J. Am. Soc. Nephrol.

      巻: 24 ページ: 967-977

    • DOI

      10.1681

    • 査読あり
  • [学会発表] 三島 英換 tRNAの挙動検知はDNAダメージよりも早期の虚血組織障害マーカーとなる

    • 著者名/発表者名
      三島 英換
    • 学会等名
      第56回日本腎臓学会学術総会
    • 発表場所
      東京国際フォーラム
  • [学会発表] CE-MSを用いた透析患者の病態に特異的な尿毒症物質の同定

    • 著者名/発表者名
      秋山 泰利
    • 学会等名
      第56回日本腎臓学会学術総会
    • 発表場所
      東京国際フォーラム
  • [産業財産権] 腎機能障害の予防又は改善剤2013

    • 発明者名
      阿部高明
    • 権利者名
      阿部高明
    • 産業財産権種類
      特許
    • 産業財産権番号
      2013-209539
    • 出願年月日
      2013-10-04
  • [産業財産権] エリスロポエチン産生促進剤2013

    • 発明者名
      阿部高明
    • 権利者名
      阿部高明
    • 産業財産権種類
      特許
    • 産業財産権番号
      JP2013/006916
    • 出願年月日
      2013-11-25
    • 外国

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公開日: 2015-05-28  

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