手足症候群は、一部のチロシンキナーゼ阻害薬によって高頻度に誘発される副作用であり、時として治療の中断を余儀なくされるほどの重篤な臨床像を呈する。本研究の開始当初は、FLT3阻害が単独で手足症候群の誘発に関与する可能性を想定していたが、その後臨床開発が進んだ新規薬物の情報も併せて解析した結果、単独分子の阻害のみで説明することは困難であることが判明した。検討を進めた結果、VEGFR阻害が共通要因であり、これにCSF1R阻害を併せ持つ場合は、発症が抑制されると考えられた。一方、VEGFR阻害・CSF1R阻害に加えてFLT3阻害を有する場合には、CSF1R阻害による発症抑制は打ち消されると考えられた。
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