研究課題/領域番号 |
24659070
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
堀 里子 東京大学, 情報学環, 准教授 (70313145)
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研究分担者 |
澤田 康文 東京大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (80114502)
佐藤 宏樹 東京大学, 薬学研究科(研究院), 助教 (80451855)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 後発医薬品 / 製剤評価 / 処方実態調査 / 市販後情報 / PK/PD解析 |
研究実績の概要 |
後発医薬品は先発医薬品と主成分が同一であるが、製剤(剤形、形態、添加物など)は異なっているのが一般的である。このため、先発医薬品と何らかの差異を生じることがある。事実、医療現場等からは、効果や副作用変化の訴えをはじめ、薬の使用勝手の違い、外観の変化等による服薬ノンコンプライアンスなど患者の治療効果を左右しかねない様々な情報が収集されている。製剤設計の相違による薬物動態や薬効・副作用の変動は大きな課題である。そこで本研究では、後発医薬品の製剤比較試験などにもとづく個々の製剤の評価と独自の医療従事者間情報収集ネットワークを活用した後発医薬品の処方実態調査を実施してきた。昨年度実施した薬剤師を対象とした臨床事例の収集により集積された後発医薬品が関連した事象(710件)の詳細な解析を継続して行った。とくに、患者が効果や副作用の変化、使用勝手の変化を訴えた事例を対象として、その要因解析を行った。また、先発医薬品と後発医薬品の外観類似あるいは相違によるトラブルが多く認められていることから、患者・薬剤師を対象として先発医薬品と後発医薬品の外観に対する意識調査やトラブル事例を対象とした外観類似度評価を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでに引き続き、後発医薬品が関連したインシデント事例の収集・解析を行った。また、並行して後発医薬品の製剤比較・評価方法の検討を進める等、順調に研究が進行した。
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今後の研究の推進方策 |
以下の流れで研究を進めていく予定である。 1)後発医薬品情報の医療現場等からの収集、分類・整理、2)後発医薬品の評価基準。評価方法の確立、3)後発医薬品の評価法にもとづく評価の試行と改善、4)後発医薬品の市販後情報の医療現場への還元
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次年度使用額が生じた理由 |
処方実態調査は、主に我々がこれまでに構築・運用してきた既存の市販後情報収集システムを用いて行ったため、当初計上した経費を使用しなかったため。 2015年1月~は、研究代表者が産前産後休暇のため事業を一時休止したため。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度は、これらの助成金を以下に使用することを計画している。 後発医薬品の評価基準・評価法の確立/後発医薬品の評価方法にもとづく評価の試行と改善/後発医薬品の市販後情報の医療現場への還元
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