研究課題
Cortisolの代謝物である6beta-hydroxycortisolはOAT3基質であることをin vitro強制発現系で確認していたが、probenecid投与検体(750 mg、poおよびadefovirあるいはbenzylpenicillin投与)において、血漿中、尿中排泄量を測定したところ、非投与群と比較して、血漿中濃度の増加を示したものの、尿中排泄量は同程度であり、腎クリアランスの低下が認められた。また、6beta-hydroxycortisolの腎クリアランスには日内周期があることが示唆された。Probenecid(1,500 mg poおよびbenzylpenicillin投与検体)投与群、非投与群のメタボローム解析を実施し、2群で強度の異なるピークは胆汁酸の硫酸抱合体(glycochenodeoxycholate sulfate)およびtaurine由来であることが示唆された。胆汁酸の硫酸抱合体は標品を合成し、taurineについては、市販のものを利用した。強制発現系を用いたin vitro試験で、タウリンについてはOAT基質となることは確認出来なかった。本研究により、腎薬物トランスポーター(OAT3、OCT2、MATEs)の機能評価に適したプローブ化合物を複数同定した。これら化合物の腎クリアランスを評価することで、腎薬物トランスポーターが関連した薬物間相互作用を定量的に評価することが可能である。プローブ薬を投与することなく、機能評価に利用できるという特性を活かして、医薬品開発のPhaseI等への利用、プローブ薬の投与が困難である疾患時の機能変動への利用が期待される。また、従来知られていたチアミントランスポーターに加えて、有機カチオントランスポーター(OCT)がビタミンであるthiamineの体内動態にも関与していることが示唆された。
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Pharm Res
巻: 31 ページ: 136-147
Drug Metab Dispos
巻: 42 ページ: 685-694
10.1124/dmd.113.055475