本研究は、疾病が起因となる薬物代謝酵素cytochrome P450(CYP)の発現変動を予測するために、CYP遺伝子の発現調節に関与するmicroRNA(miRNA)の探索を目的に実施された。本研究結果より、第一に、炎症時における炎症制御の分子機構の違いによってCYP発現への影響が異なる可能性が示された。第二に、Cyp2b10遺伝子は、炎症時におけるmRNA及びタンパク質レベルの発現傾向に不一致が認められ、複数種のmiRNAがCyp2b10 3’UTRに作用する可能性が示唆された。今後、これらのmiRNAが疾病時におけるCyp2b10発現の予測に役立つことが期待される。
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