最も表現系に近く強い相関が期待される生体内低分子代謝物(メタボローム)情報を主とし、上流に遡る逆方向の多層的オミックス解析を、手足症候群を対象に行った。培養細胞を用いたメタボローム解析で、陰性対照に比して、手足症候群を起こしやすいソラフェニブ、スニチニブで同方向に有意にレベルが変化し、起こしにくいイマチニブ、ゲフィチニブで変化が見られない脂質として、ジアシルグリセロールが認められた。従って、発症へのPKCの関与が示唆された。またヒト試料を用いた遺伝子多型解析は、対象とする8遺伝子11多型に関し、36症例の解析が終了した。ヒト試料の解析については、継続する予定である。
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