研究課題/領域番号 |
24659081
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
牛木 辰男 新潟大学, 医歯学系, 教授 (40184999)
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研究分担者 |
甲賀 大輔 新潟大学, 医歯学系, 講師 (30467071)
中島 真人 新潟大学, 医歯学系, 助教 (60588250)
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キーワード | 電子顕微鏡 / マイクロ・ナノデバイス / 解剖学 / 細胞・組織 / マニピュレーション |
研究概要 |
真空内で遠隔操作できる高性能のマニピュレータを用いて、走査電顕内で組織を自由に顕微解剖できる新規な「走査電顕マイクロダイセクション法」を確立し、細胞や組織の立体微細構造をより詳細にできるようにする目的で、平成25年度は以下の実験を行った。 1)改良したマニピュレータの動作確認 マニピュレータを、より人間の手の動作に近い動きにするために、これまでのxyzの3軸に加え、試料回転、ヨーイングを可能にし、マイクロ鉗子やマイクロハサミが利用できるものを研究協力者に作成してもらい、その動作確認を行った。これにより、眼科剪刃や癌か鉗子をマニピュレータにより走査電顕内で利用できるようになった。 2)3D走査電顕による改良マニピュレータの利用 上記のマニピュレータを用いて、ラット内耳のマイクロダイセクションを行った。固い骨壁はマイクロ鉗子で解剖・除去することが可能になった。またマイクロ剪刃を用いて、軟部組織(前庭膜やらせん靭帯など)を切り取ることが可能になった。マイクロダイセクションを行う過程で、試料の回転や、ヨーイングの動作はきわめて有用であった。また、これにより、骨の中に隠れていたコルチ器の有毛細胞の立体配列を明瞭に剖出することができた。 以上、昨年度の成果と今年度の成果により、3D走査電顕内で、生物試料(組織標本)をかなり、自由に遠隔操作によりマイクロダイセクションを行うことが可能になった。このシステムは、多様な組織の立体微細構造解析に利用できることから、今後の普及が期待される。
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