研究課題/領域番号 |
24659084
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
原田 彰宏 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40251441)
|
研究分担者 |
國井 政孝 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80614768)
|
キーワード | 上皮形成 / 細胞極性 / ノックアウトマウス |
研究概要 |
腸管の上皮細胞の極性には細胞内の方向性を持つ輸送が重要である。しかし極性輸送の分子機構、さらに極性輸送と管腔形成の関連についてはいまだ不明な点が多い。本研究では①極性輸送に重要な既知、新規遺伝子のKOマウスを作成、解析する。②解析にあたり、KO マウスの腸を解析するとともに、近年開発された小腸上皮の初代培養系を用いて、上皮細胞内の極性輸送の変化及び、極性輸送の変化が管腔形成とどう関連するかを解明する。 応募者は現在飼育している既知の極性輸送関連蛋白のKOマウス及び線虫を用いて同定した、新規の極性輸送関連蛋白の組織の特異的KOマウス個体と小腸の初代培養系を用いて、腸の上皮細胞内の極性輸送、管腔形成の分子機構を解明した。具体的には下記のような解析を行った。 ①既知の極性輸送関連分子(Rab8a,b, syntaxin3, SNAP23)KOマウスの解析:apical面への輸送に重要なRab8a,b,syntaxin3の小腸特異的KOマウスではapical面への輸送異常や細胞増殖の亢進が生じた。microarrayでKOマウスでは増殖因子の発現増加が見られたため、その現象をin vitroで再現できる系を構築した。またRab8a,bKOマウスの解析についてはJournal of Cell Science誌に発表した。②線虫で同定した新規の極性輸送関連分子のKOマウスの解析:線虫で同定した新規遺伝子についてKOマウスの作成に加え、最近導入されてきたCRISPRを用いて、小腸でノックアウトする系を樹立しているところである。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Rab8a,b DKOマウスの解析が順調に進み、論文に投稿することができた。また小腸の初代培養系と遺伝子導入が立ち上がり、syntaxin3, SNAP23についても順調に解析が進んでいる。
|
今後の研究の推進方策 |
またsyntaxin3, SNAP23などについて、小腸の初代培養系をおもに用いて細胞極性の分子機構の解明を進める。
|
次年度の研究費の使用計画 |
Rab8a,b DKOマウスの解析と小腸の初代培養系の費用が予想を下回ったため。 syntaxin3, SNAP23KOマウスの小腸初代培養系の解析に用いる予定。
|