研究課題/領域番号 |
24659086
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
中畑 泰和 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助教 (50390810)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 体節形成 |
研究概要 |
近年NAD+依存性脱アセチル化酵素SIRT1は、その機能異常が糖尿病、脂質異常症などの代謝性疾患を引き起こすこと、逆に、レスベラトロールなどのSIRT1活性化低分子化合物が糖尿病や肥満を抑制することが明らかになり、長寿遺伝子として注目を浴びている。一方で最近SIRT1は、胚発生期においても血管形成などへの関与が明らかになり、発生期におけるSIRT1の役割が注目されている。そのひとつとして背骨などの繰り返し構造の元となる体節の形成過程で中心的な役割を果たしているHes7タンパク質との結合が報告されている。しかし、その生理的意義は不明のままである。本研究課題では、SIRT1活性化が胚・個体発生期、特に体節形成においても正の効果を示すのか、すなわち、胚・個体発生期に薬理学的もしくは遺伝子工学的にSIRT1活性を上昇させれば、催奇形性物質投与による奇形仔の出生確率を減少させることができるかを明らかにすることを目標に研究を行っている。 これまでに体節形成が行われる未分節中胚葉特異的にSIRT1を欠損するコンディショナルノックアウトマウスを作成し、催奇形性物質であるバルプロ酸を腹腔内投与し、催奇形性の程度を観察した。その結果、SIRT1欠損マウスでは、同腹仔野性型マウスに比べ、奇形の程度が穏やかな傾向が見られた。一方で、未分節中胚葉特異的SIRT1高発現マウスの作成も行い、複数ラインの樹立に成功した。今後は、これら2種類の遺伝子改変マウスを用いて未分節中胚葉でのSIRT1の役割を解明していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
未分節中胚葉特異的SIRT1欠損マウスを作成に成功した。さらに、催奇形性物質に対してこのマウスは抵抗性を示すことを明らかにした。また、未分節中胚葉特異的にSIRT1を高発現するトランスジェニックマウスを複数ライン作成することにも成功した。
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今後の研究の推進方策 |
未分節中胚葉特異的SIRT1高発現/欠損マウス新生仔を用いて以下の実験を行う。 I)催奇形性物質バルプロ酸を妊娠マウスの腹腔内に投与し、新生仔の骨形成異常の程度を同腹仔野生型マウスと比較し、SIRT1活性に外因性ストレスによる奇形形成抑制能があるかを検証する。 II)妊娠マウス腹腔内にバルプロ酸投与後、胚を摘出し、体節形成関連遺伝子Hes7、 Lfng、Uncx4.1などの発現パターンをin situ ハイブリダイゼーション法にて検証し、SIRT1高発現/欠損が体節形成関連遺伝子発現にどのような影響を及ぼすかを明らかにする。 また、遺伝子工学的手法に対して薬理学的手法を用いても体節形成におけるSIRT1活性の役割を解明する。具体的には、野生型マウスにSIRT1活性化化合物であるレスベラトロールなどやニコチンアミドをはじめとする種々の阻害剤を投与し、上記と同様の実験を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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