研究課題/領域番号 |
24659092
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
岡田 康志 独立行政法人理化学研究所, 細胞極性統御研究チーム, チームリーダー (50272430)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 1分子イメージング / ライブイメージング / ゼブラフィッシュ / 蛍光ライブイメージング / 蛍光顕微鏡 |
研究概要 |
本年度は、計画通り以下の研究開発を行った。 1)ゼブラフィッシュ初期胚の非侵襲蛍光ライブイメージングシステムの構築。これまで1分子観察によく用いられている全反射顕微鏡では細胞のカバーグラス付着面極近傍しか観察することが出来ず、厚みのあるゼブラフィッシュ初期胚のイメージングには適さない。厚みのある初期胚内部の蛍光像を焦点面外からのぼけ光を排除して取得するためには、共焦点顕微鏡システムが通常用いられるが、広く用いられている点走査型共焦点顕微鏡では1分子イメージングに必要な時間分解能を達成出来ない。そこで、ニポウディスク方式の共焦点顕微鏡をベースに開発することで、厚みのあるゼブラフィッシュ初期胚で光学断層像を作成しつつ1分子イメージングが可能となるような顕微鏡システムを作成した。 2)ゼブラフィッシュ自家蛍光の低減。ゼブラフィッシュ初期胚皮膚からの自家蛍光の多くは色素細胞に由来していた。従って、これを克服するため、色素細胞を持たない変異体casperの系統を導入した。本系統は野生型に比べて病弱で飼育困難であるとされていたが、安定して飼育繁殖させることに成功している。 3)ニポウディスク方式共焦点顕微鏡を用いた1分子ライブイメージング。ニポウディスク方式共焦点顕微鏡は、光利用効率が低く1分子イメージングの用途で用いられることは稀である。今回、光学系の見直しと再調整を行うことで、ニポウディスク方式共焦点顕微鏡で1分子ライブイメージングが十分に可能であることが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初想定していた通りに研究開発は進行しており、特に予定からの著しい解離はない。
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今後の研究の推進方策 |
顕微鏡システムの構築はほぼ予定通り進行しているので、25年度には、これを利用して、いよいよゼブラフィッシュ個体での1分子イメージングに挑戦する。Casper系統を利用して、transient expression の系を上手く構築することで、短い開発期間で初期胚表層での1分子イメージングの実現を最初の目標とする。1分子イメージング用の蛍光タンパクとしては、ppluGFP2ベースのものに加え、ごく最近発表されたlamprey由来のmNeonGreenなども検討する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
H24年度、消費税などで生じた端数により753円の未使用額が発生し、H25年度へ繰り越した。少額なので、とくに計画の変更はない。
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