研究課題
Arc結合ユビキチンリガーゼがArcを基質とするかどうかを発現細胞を用いて検証した。HEK293T細胞において、ユビキチンリガーゼの発現の有無がarc蛋白質のユビキチン化に影響するかどうかを調べたが、明らかな違いは見られなかった。そこで、ユビキチンリガーゼノックアウトマウスにおけるarcのユビキチン化を野生型マウスと比較したところ、予想外の結果が得られた。すなわち、arcは通常55kDaの蛋白質としてarc抗体によって認識されるが、ノックアウトではこの55kDa蛋白質の発現量が減少し、やや小さい53kDa蛋白質が新たに出現した。しかも、ユビキチン抗体との反応性を調べたところ、53kDa蛋白質がむしろユビキチン化されており、55kDa蛋白質はユビキチン化されていなかった。以上の結果から、このユビキチンリガーゼはarcを基質とせず、むしろ他の酵素によるユビキチン化を抑制していると考えられた。さらに、通常見られる55kDaのarc蛋白質はユビキチン化とは別の蛋白修飾を受けていると考えられた。ユビキチンリガーゼノックアウトマウスは、様々な行動異常を示すが、arcの修飾異常に起因する可能性も考えられた。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 謝辞記載あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (6件) (うち招待講演 2件)
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