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2012 年度 実施状況報告書

Kチャネル選択性のメカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 24659097
研究機関福井大学

研究代表者

三田 建一郎  福井大学, 医学部附属病院, 特命助教 (30529342)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2014-03-31
キーワードKチャネル / イオン選択性
研究概要

原発性アルドステロン症の原因の一つとして、KチャネルのKイオン選択性の消失であることが明らかにされた。特定のイオンだけを通し、それ以外のイオンは通さない機能はイオンチャネルの根本的機能の一つである。疾患に対する根本的治療を含む新たな方法の探索のためにもKイオンの選択性に関する基礎的研究は不可欠である。X線結晶構造解析等の研究が進められてきているが、いまだに明らかなメカニズムの解明に至っていない。本研究では代表的なKチャネルであるKcsAチャネルを使い、脂質平面膜法で単一イオンチャネル電流を計測する電気生理学的実験を行った。
KcsAチャネルのうち不活化が起こらないE71A変異型を用いた。電解質は、KイオンとKイオンよりも直径の小さなイオンであるNaイオンとLiイオンを用いた。人工的に作成した脂質二重膜に単一Kチャネル分子を組み込み、Kイオン電流に対するNaイオンとLiイオンのKチャネルへの通りやすさ、およびKイオン電流に対する影響を調べた。
Naイオン、Liイオン共にKチャネルを透過することは確認できなかった。その後で、再びKイオンを流そうとすると、Kイオンはすぐに流れることはなく、流れ始めるまでに時間が必要だった。
Naイオン、LiイオンはKチャネルの中に入り込むことができるが、チャネルを通り抜けることはできずチャネル内に留まる、そしてKイオンが透過するのをブロックするということ示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

実験に必要である人工的に作成した脂質二重膜に単一イオンチャネル分子を組み込み、さまざまな条件で電圧をかけることに対して、安定した電流を計測することが可能となった。

今後の研究の推進方策

初年度で、実験に必要な電流計測を安定して測定することが可能となった。今年度は、電流の測定条件をさらに厳しくし、Kチャネルを通り抜けることができないイオンが本当にチャネルを通り抜けることができないのか、そして通り抜けられないとするならばチャネルのどの部分まで入り込むことができるのかを明らかにする予定である。

次年度の研究費の使用計画

初年度では、安定に測定することが可能になったが、チャネルの研究者が多く集まる海外での学会に発表できるまでの結果が得られなかった。本年度はさらなる実験結果を出すべく、実験に必要な薬品、ガラス器具、国内外の学会出席、研究成果発表費用等に使用する予定である。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (7件)

  • [雑誌論文] Functional equilibrium of the KcsA structure revealed by NMR2012

    • 著者名/発表者名
      S.Imai, M.Osawa, K.Mita, S.Toyonaga, A.Machiyama, T.Ueda, K.Takeuchi, S.Oiki, I.Shimada
    • 雑誌名

      J Biol Chem

      巻: 287(47) ページ: 39634-39641

    • DOI

      10.1074/jbc.M112.401265

    • 査読あり
  • [雑誌論文] デジタル処理による動脈圧波形の歪みの補正2012

    • 著者名/発表者名
      三田 建一郎, 佐藤 倫祥, 清水 久美子, 次田 佳代, 松木 悠佳, 田畑 麻里, 信川 泰成, 上田 雅史, 林 和子, 廣瀬 宗孝, 重見 研司
    • 雑誌名

      麻酔・集中治療とテクノロジー2009

      巻: 1 ページ: 56-59

  • [学会発表] 集中治療室での症例2013

    • 著者名/発表者名
      三田 建一郎
    • 学会等名
      福井トロンボモジュリン講演会
    • 発表場所
      福井県吉田郡
    • 年月日
      20130220-20130220
  • [学会発表] 麻酔情報管理システム(AIMS)による術前診療支援機能構築の試み2012

    • 著者名/発表者名
      村上 剛, 次田 佳代, 小畑 友里江, 神澤 聖一, 三田 建一郎, 松木 悠佳, 内田 整, 重見 研司
    • 学会等名
      第30回日本麻酔集中治療テクノロジー学会
    • 発表場所
      鹿児島市
    • 年月日
      20121208-20121208
  • [学会発表] 産科的DICに対しナファモスタットメシル酸塩を使用し高K血症を生じた1症例2012

    • 著者名/発表者名
      神澤 聖一, 小畑 友里江, 三田 建一郎, 信川 泰成, 安田 善一, 重見 研司
    • 学会等名
      第16回北陸急性血液浄化療法談話会
    • 発表場所
      金沢市
    • 年月日
      20121201-20121201
  • [学会発表] 福井大学医学部附属病院集中治療部でのリコモジュリン使用状況2012

    • 著者名/発表者名
      三田 建一郎, 神澤 聖一, 小畑 友里江, 信川 泰成, 安田 善一, 重見 研司
    • 学会等名
      集中治療ミーティング福井
    • 発表場所
      福井市
    • 年月日
      20120907-20120907
  • [学会発表] イオンチャネルのイオン選択性メカニズムの解明2012

    • 著者名/発表者名
      三田 建一郎, 岩本 真幸, 老木 成稔, 重見 研司
    • 学会等名
      日本麻酔科学会東海・北陸支部第10回学術集会
    • 発表場所
      名古屋市
    • 年月日
      20120901-20120901
  • [学会発表] カリウムチャネルモデルを用いた神経細胞へのカルシウムイオンの直接効果2012

    • 著者名/発表者名
      松木 悠佳, 三田 建一郎, 岩本 真幸, 老木 成稔, 髙倉 康, 重見 研司
    • 学会等名
      日本麻酔科学会東海・北陸支部第10回学術集会
    • 発表場所
      名古屋市
    • 年月日
      20120901-20120901
  • [学会発表] 心電図QT時間へのマグネシウムイオンの直接効果ーカリウムチャネルモデルを用いてー2012

    • 著者名/発表者名
      松木 悠佳, 三田 建一郎, 岩本 真幸, 老木 成稔, 髙倉 康, 重見 研司
    • 学会等名
      日本麻酔科学会第59回学術集会
    • 発表場所
      神戸市
    • 年月日
      20120608-20120608

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公開日: 2014-07-24  

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