研究課題/領域番号 |
24659098
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
大橋 俊夫 信州大学, 医学部, 教授 (80020832)
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研究分担者 |
河合 佳子 信州大学, 医学部, 准教授 (10362112)
永井 崇 信州大学, 医学部, 助教 (50514353)
安嶋 久美子 信州大学, 医学部, 助教 (70584051)
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キーワード | 病態生理 / センチネルリンパ節 / 微小環境 / 癌転移 |
研究概要 |
私共はセンチネルリンパ節理論を生理学的視点から考え直してみると、癌の原発巣から最も多量のリンパ液が流れ込んでいるリンパ節と言い換えることができる、との仮説を提唱してきた。その証明のために、本研究課題ではラット・マウスの小動物からミニブタの大動物を用いたin vivo実験を行い、多角的かつ網羅的に解析を行った。すなわち、(1)ラット尾部に、流れ刺激によってリンパ管内皮細胞から分泌されるのと同濃度のATPを外因的に投与し、リンパ節内のリンパ管内皮細胞表面の細胞接着分子ICAM-1の発現が亢進することを発見した。(2)ケモカインの一種であるCCL2で培養リンパ管内皮細胞を刺激することによっても、リンパ管内皮細胞表面のICAM-1の発現亢進が認められた。(3)発現が亢進したICAM-1を用いて培養乳癌細胞がリンパ管内皮細胞と接着しやすくなることも確認した。 本研究課題の遂行により、リンパ節の内部環境を変化させるような要因がリンパの流れや癌細胞から分泌されるケモカインであることが確認できた。この事実をもとに、リンパ節の環境変化を察知することが癌細胞のリンパ節内転移の早期診断につながる基盤研究を進めることが更なる課題と考える。
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