研究課題
香辛料成分(カプサイシン、クルクミンなど)の作用について、暑熱刺激と対比しながら検討を行った。香辛料成分の刺激後15分には、MAP kinases、Akt/mTOR signalingを調節することを確認した。また、細胞骨格の一つであるアクチン重合へも影響をすることを明らかにした。その一方で、暑熱刺激でもMAP kinases、Akt/mTOR signalingを調節すること、細胞骨格のアクチン重合に影響することが判明したが、香辛料成分の刺激と暑熱刺激とは若干異なることも明らかとなった。その相違点のひとつとして、今回の実験条件では、香辛料成分刺激が水チャネル・アクアポリン発現調節に強くは影響しないことが示唆された。しかし、この点については今後さらなる検討が必要と思われ、細胞・組織の違い、刺激の加え方の工夫など必要と思われた。興味あることに、長期間の暑熱刺激は熱耐性能の獲得のみならず、低酸素耐性能の獲得にも貢献することを本研究で明らかにした。このことは熱刺激の新たな可能性を示唆するものであり、今後の熱刺激の応用・発展への足がかりとなる所見と思われる。以上の結果から、香辛料成分はTRPチャネルを活性化することで、そのシグナルの一部分は暑熱刺激を模倣する。暑熱は私たちの生活にとって良いこともあり悪いこともある。本研究の成果を踏まえ、今後は暑熱の良い面だけを模倣する香辛料成分について研究を発展させていきたい。
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