研究課題
平成24年度に細胞膜画分の網羅的な比較定量プロテオミクスにより、細胞膜型アミノ酸受容体の候補因子をいくつか見出した。平成25年度には、これら候補因子のRNA干渉法による遺伝子ノックダウンによる機能解析を実施した。その結果、7種類の候補因子のうち1つの因子については、ノックダウンによってアミノ酸添加時のmTORC1活性化が顕著に減弱することがわかった。その後の詳細な解析で、同因子が少なくともインスリンやIGF-1などの増殖因子の受容体を介したMAPキナーゼ, Akt, TSC2等の多くの因子のリン酸化に関与しており、アミノ酸シグナル系と協調的にmTORC1の活性化に寄与することを明らかにした。アミノ酸シグナル伝達に直接的に関与する因子であることは未だ示せていないが、現在、免疫沈降実験と質量分析による分子同定を組み合わせて、同因子と物理的に相互作用するタンパク質群からアミノ酸受容体同定に繋げることを試みている。また、リン酸化プロテオミクスの系を立ち上げることができた。因子の同定後は、その下流に広がるリン酸化シグナルカスケードを網羅的に解明できることが期待される。さらに、当初予定していたiTRAQ法による比較定量プロテオミクスに加えて、より低シグナルのデータについても高い定量性を発揮する非標識比較定量法の測定手技の確立もおこなった。細胞膜型アミノ酸受容体の分子同定に向けて、充分な技術的基盤を立ち上げることができたものと考える。
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