研究課題/領域番号 |
24659119
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
馬嶋 正隆 北里大学, 医学部, 教授 (70181641)
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研究分担者 |
北里 英郎 北里大学, 医療衛生学部, 教授 (90195256)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | リンパ管新生 / 食塩 / 高血圧 / VEGF-C |
研究概要 |
PGは腎尿細管でNa排泄増強作用がある。mPGES-1-/-では高NaCl食負荷により体内Na貯留を伴う高血圧が発症する。その際に皮膚等にリンパ管が新生しNaを保持することで、高血圧発症に緩衝作用を発揮することが期待された。マウスでの食塩誘発高血圧症、皮膚でのリンパ管増殖を検討したところ、血圧自体の上昇はきわめて弱く、他のモデルも検討することにした。片腎摘出後に食塩負荷とDOCAを皮下に投与することで、全身血圧(平均)の10mmHg程度の上昇を認めることができた。mPGES-1-/-でも、DOCA salt負荷による血圧の増大が特段大きくなく、PGEの関与がそれほど顕著なものでは無いことが判明した。皮膚におけるリンパ管密度をLyve-1およびpodoplanin免疫組織化学で評価しているところである。あわせてNaCl過剰をセンスする細胞群の特定をin vitroで開始した。マクロファージが最も可能性が高いと思われるので、腹腔内からマクロファージを採取して食塩負荷によりVEGF-Cの誘導がかるか否かを検討を開始した。さらに用いているセンサー分子、例えば、Naチャネル、Na/Cl共輸送体、Naポンプ、浸透圧センサー(アクアポリン、TonEBPなど)を特定する予定でプライマー設計を終えた。高NaCl食負荷高血圧マウスにVEGF-C過剰発現fibroblastを我々の既報に従い作成、接種することにより、皮膚リンパ管新生増強に伴う高血圧発症抑制がPG等に依存するかを調べるための細胞の調整を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
食塩負荷による高血圧発症の感受性が不十分であることが、in vivo modelの選択の難しさを実感させているところである。DOCAを用いることに期待したい。あわせて今後別のモデルでの検討も開始したいと思っている。
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今後の研究の推進方策 |
PG以外の生理活性物質にも注目することを考えている。候補としてはbradykininである。腎尿細管でNa排泄増強作用がある。B2受容体-/-マウスでは高NaCl食負荷により体内Na貯留を伴う高血圧が発症することがみられている。その際の皮膚リンパ管新生を評価することで、リンパ管新生が高血圧発症に緩衝作用を発揮することが期待される。野生型マウスでは、片腎摘出後に食塩負荷とDOCAを皮下に投与することで、全身血圧(平均)の10mmHg程度の上昇を認めることができた。B2受容体-/-マウスでも、DOCA salt負荷による血圧の増大が特段大きくなることが期待される。皮膚におけるリンパ管密度をLyve-1およびpodoplanin免疫組織化学で評価していく。あわせてNaCl過剰をセンスする細胞群の特定をin vitroで進める。マクロファージが最も可能性が高いと思われるので、腹腔内からマクロファージを採取して食塩負荷によりVEGF-Cの誘導がかるか否かを検討を開始する。さらに用いているセンサー分子、例えば、Naチャネル、Na/Cl共輸送体、Naポンプ、浸透圧センサー(アクアポリン、TonEBPなど)を特定する予定である。高NaCl食負荷高血圧マウスにVEGF-C過剰発現fibroblastを我々の既報に従い作成、接種することにより、皮膚リンパ管新生増強に伴う高血圧発症抑制がPG等に依存するかを調べる。
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次年度の研究費の使用計画 |
実験材料、マウスの購入、飼育費にあてる予定である。高額な機器の購入は考えていない。
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