リンパ管は、細胞外液量の恒常性維持に重要な役割を果たす。本研究では、Na負荷に伴い皮膚でリンパ管が新生し、多くのNaを保持し、食塩感受性高血圧の発症に拮抗する役割を発揮する機構の存在を検証した。本研究では、特にプロスタグランジン(PG)に注目し、食塩負荷に伴ってPG依存性にリンパ管新生が誘導されるか否か、食塩感受性高血圧の発症を抑制するマシナリーとして意義があるか否かを、高血圧モデルを作成し検討したが、結果はネガティブであった。しかし、あわせて検討した腹膜炎モデルでは、PG依存性に腹膜炎症に伴うリンパ管新生が腹水の回収を増強することが判明し、治療標的として意義が大きいことが判明した。
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