研究概要 |
スプライシング反応を司るスプライソソームは、U1, U2, U4, U5, U6 snRNAと約200個のタンパク質からなる高分子複合体である。これらsnRNAの量比は様々な組織において異なっていることが知られており、この違いが組織特異的なスプライシングパターンの違いを生み出していることを示唆する報告もある。我々は現在までに、様々な組織由来の細胞内でのスプライソソームの構成因子であるsnRNA量比の測定を行なった。HeLa細胞を標準とすると、いくつかの細胞では、これらのsnRNAのうちU1 snRNAの量が少ないことが明らかとなった。また、これらの細胞中でアンチセンスオリゴを用いて、それぞれ個別のsnRNAをノックダウンし、その際の細胞生存率も測定した。 また、マウスNIH3T3-L1細胞は、適切な条件化で培養することにより、脂肪細胞へと分化することが知られている。我々は、分化前後のsnRNAの量比の比較も行ない、いくつかのsnRNA量が分化に伴い変化していることが明らかとなった。
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