研究課題/領域番号 |
24659136
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
岩井 一宏 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60252459)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 直鎖状ポリユビキチン鎖 / 慢性皮膚炎 / NF-kappaB / 直鎖状ポリユビキチン鎖生成阻害剤 |
研究概要 |
1.東京大学 創薬オープンイノベーションセンターと共同で施行したスクリーニングで同定したLUBACを阻害する低分子化合物に関して以下の実験を行った。 a)低分子化合物を同定したスクリーニング系ではE3としてpetit-LUBACを用いた。prtit-LUBACはHOIL-1LとHOIPの特定の領域からなるので、選択した化合物がHOIL-1L、HOIP、SHARPINからなる野生型LUBACによる直鎖状ポリユビキチン鎖形成を阻害するか否かを検討して化合物を選択した。選択された化合物はb)TNF-α等の刺激依存的なNF-κB活性化抑制効果、c)刺激依存的なNEMOの直鎖状ポリユビキチン化の阻害活性を有していた。しかし、d)NF-κB活性化経路の他の分子、LUBACと構造的に類縁のE3に対する阻害活性を示さなかった。それゆえ、同化合物はLUBACによるNF-κB活性化を選択的に阻害する化合物であると考えられた。 2.LUBAC発現誘導法の開発:申請者らはLUBACの発現を増強させることで、TNF-α等の刺激依存的なNF-κB活性化が亢進することを報告した。LUBACのサブユニットの1つであるSHARPINを欠損したcpdmマウスではNF-κB活性化の減弱によって皮膚炎が生じる可能性があるので、LUBACの発現亢進はそれら疾患の症状軽減効果が期待される。申請者らはIFN-γによってLUBACの発現が誘導されることを見出したので、以下を検索した。a)正常およびcpdmマウスのケラチノサイトの初代培養にIFN-γを添加し、LUBACの発現を増強し、かつ、TNF-α依存的なNF-κB活性化を増強した。またb)cpdmマウスにINF-γを投与して皮膚炎を改善した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
研究計画に記載した内容に関して、順調にかつ良い方向に研究が進展した。
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今後の研究の推進方策 |
順調に研究が推移しているので、次年度も現在の進捗状況を維持したい。
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次年度の研究費の使用計画 |
本年度は予想よりも順調に研究が推移したので、当初予定した研究費よりも少額で研究が進捗した。次年度は本研究計画の最終年度であるので、研究の完成に留意して研究を推進したい。
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