ヒスチジン残基のリン酸化反応は、その化学的な不安定さより抗体が作製できず簡便な同定法が存在しない。本研究では化学的に安定なリン酸化ヒスチジンアナログを用いることにより抗リン酸化ヒスチジン抗体の作製を試みた。マウスをリン酸化ヒスチジンアナログ含有ペプチドで免疫し、リン酸化ヒスチジンとの反応が強いクローンを得たが、リン酸化ヒスチジンのみならず弱いながらもリン酸化セリン、トレオニン、チロシンとの反応がみられた。一方、ウサギで作製した抗体をリン酸化ヒスチジンカラムで精製することにより他のリン酸化アミノ酸との反応が低い特異的な抗体を得ることができた。
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