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2012 年度 実施状況報告書

新規CD8T細胞分化機構の腫瘍免疫・自己免疫疾患治療への応用

研究課題

研究課題/領域番号 24659148
研究機関京都大学

研究代表者

菅井 学  京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (90303891)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2014-03-31
キーワード自己免疫疾患 / 腫瘍免疫
研究概要

ヘルパーT細胞(CD4T細胞)と細胞障害性T細胞(CD8 T細胞)への運命決定は、胸腺における 抗原認識様式に依存した相互排他的な分化過程である。これらのT細胞サブセットは、それぞれ他の系列へと再分化し ないものと信じられている。今回我々は、CD4T細胞が末梢組織においてCD8T細胞に再分化することを見いだした。強い抗原刺激に加え、Interleikin-2 (IL-2)、レチノイン酸、Transforming Growth Factor-β1(TGF-β1)によって、CD4 T細胞はCD8αα T細胞に分化することを見いだし、この分化にはRunx3が必要である事が明らかになった。その一方で、CD8αα+TCRαβ T細胞のなかには、活性化T細胞を特異的に抑制する性質を持つ細胞がいることが知られている。そこで我々は、自己免疫疾患モデルマウスにおいて、CD4由来CD8aaT細胞の免疫反応抑制機能を評価した。その結果、CD4 T細胞からCD8αα T細胞への分化に障害を持つRunx3-/- T細胞をもつマウスでは、実験的アレルギー性脳脊髄炎からの回復に障害を示すことが明らかになった。このことは、CD4由来CD8aaT細胞は、ある種の免疫抑制機能を持つことを示唆していると考えられる。
このCD4 T細胞からCD8αα T細胞への分化を促進・抑制する分子を同定するために使用するin vitro培養系の確立に努めた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

様々な薬剤や分子を、効率的にスクリーニングするためには、より効率の良いアッセイ系を確立することが重要である。そのために様々な条件を検討する必要があり、その結果最初の一年を費やすことになった。しかし、これは当初の予定どおりである。

今後の研究の推進方策

CD4T細胞から分化したCD8aaT細胞自身を用いて、腫瘍免疫反応や自己免疫疾患への関わりを調べる。さらに、in vitroの評価系で得られたseedsとなる化合物や、遺伝子産物を用いて生体内でのCD4からCD8aaT細胞への分化誘導に与える影響と、その結果もたらされる腫瘍免疫反応や自己免疫反応への影響を調べる。

次年度の研究費の使用計画

in vitroでのCD4からCD8aaT細胞への分化誘導系を用いて、その分化を促進・抑制する分子や化合物をスクリーニングする。ここで見いだした分子をマウスに投与することによって、自己免疫疾患や腫瘍免疫への影響を評価する。また試験管内で分化誘導したCD4T細胞由来CD8aaT細胞をマウスに投与することによって腫瘍免疫や自己免疫疾患への影響を評価する。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] In situ differentiation of CD8αα Τ cells from CD4 T cells in peripheral lymphoid tissues2012

    • 著者名/発表者名
      Nambu Y., Hayashi T., Jang KJ, Aoki K., Mano H., Nakano K., Osato M., Takahashi K., Itoh K., Teramukai S., Komori T., Fujita J., Ito Y.,Shimizu A., Sugai M.
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 2 ページ: 642-650

    • DOI

      doi:10.1038/srep00642

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Id2 controls chondrogenesis acting downstream of BMP signaling during maxillary morphogenesis.2012

    • 著者名/発表者名
      Sakata-Goto, T., Takahashi, K., Kiso, H., Huang, B., Tsukamoto, H., Takemoto, M., Hayashi, T., Sugai, M. Nakamura, T., Yokota, Y., Shimizu,
    • 雑誌名

      bone

      巻: 50 ページ: 69-78

    • DOI

      DOI: 10.1016/j.bone.2011.09.049

    • 査読あり
  • [学会発表] In situ differentiation of CD8αα Τ cells from CD4 T cells in peripheral lymphoid tissues2012

    • 著者名/発表者名
      南部 由希子、林 達成、Kyoung-Jin Jang、青木 耕史、眞野浩人、中野圭子、大里 元美、髙橋 克、 伊藤 克彦、手良向 聡、小守 壽文、藤田 潤、伊藤 嘉明、清水 章 、菅井 学
    • 学会等名
      日本分子生物学会
    • 発表場所
      福岡
    • 年月日
      20121211-20121214
  • [産業財産権] T細胞の分化誘導方法、T細胞の製造方法、T細胞、医薬組成物、及び、スクリーニング方法2012

    • 発明者名
      菅井学、清水章、南部由希子
    • 権利者名
      菅井学、清水章、南部由希子
    • 産業財産権種類
      特許
    • 産業財産権番号
      特願2012-101390
    • 出願年月日
      2012-04-26

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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