研究課題
ヘルパーT細胞(CD4T細胞)と細胞障害性T細胞(CD8 T細胞)への運命決定は、胸腺における 抗原認識様式に依存した相互排他的な分化過程である。我々は、CD4T細胞が末梢組織においてCD8T細胞に再分化することを発見した。強い抗原刺激に加え、Interleikin-2 (IL-2)、レチノイン酸、Transforming Growth Factor-β1(TGF-β1)によって、CD4 T細胞はCD8ααT細胞に分化することを見いだし、この分化にはRunx3が必要である事もわかった。さらに、CD8αα+TCRαβ T細胞のなかには、活性化T細胞を特異的に抑制する細胞群の存在が知られていることから、CD4由来CD8aaT細胞の免疫反応抑制機能を、自己免疫疾患モデルマウスを用いて評価した。その結果、CD4 T細胞からCD8αα T細胞への分化に障害を持つRunx3-/- T細胞をもつマウスでは、実験的アレルギー性脳脊髄炎からの回復に障害があることが明らかになった。このことから、CD4由来CD8aaT細胞は、ある種の免疫抑制機能を持つことが示唆された。さらに、この『CD4T細胞から誘導されたCD8T細胞』の遺伝子発現を網羅的に解析し、他の制御性T細胞『iTreg細胞(Foxp3+CD4T細胞)』と遺伝子発現と比較することによって、『CD4T細胞から誘導されたCD8T細胞』分化機構に関与する可能性のある候補遺伝子群を同定した(一時スクリーニング)。さらに、様々な阻害剤ライブラリーを用いて、CD8ααT細胞分化を亢進する化合物や、促進する化合物を見いだした。
すべて 2014 2013 その他
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (1件)
J. Biol. Chem.
巻: 289 ページ: 1564-1579
10.1074/jbc.M113.523753
Biochimica et Biophysica Acta
巻: 1830 ページ: 4046-4052
org/10.1016/j.bbagen.2013.03.024
Bioch emical an dBiophysical Research Com munications
巻: 433 ページ: 579-585
org/10.1016/j.bbrc.2013.03.027
Oral Diseases
巻: 19 ページ: 144-150
10.1111/j.1601-0825.2012.01963.x