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2013 年度 実績報告書

ストレス応答に基づく癌細胞の多能性獲得と破綻の分子機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 24659149
研究機関大阪大学

研究代表者

金田 安史  大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10177537)

キーワード癌幹細胞 / 抗癌剤耐性 / 前立腺癌 / 多能性維持因子
研究概要

癌の再発抑制を目指して、抗がん剤耐性のシグナル解析を行った。
今年度は抗癌剤のDocetaxelを前立腺癌細胞PC3に作用させ、Docetaxel抵抗性株PC3DRを分離した。PC3細胞はDU145細胞と異なり、すでにDocetaxelの抵抗性が高いことが分かり、50%生存を与える濃度で比較すると約2倍の増強(5nM)にすぎなかった。またDocetaxel投与なしで一カ月以上培養すると抵抗性が失われたため、たえずDocetaxelの刺激を与える必要があった。PC3DRのスフェア形成能は感受性のPC3の約2倍であった。またPC3DRではERKの活性化が強く起こっており、soft agar上でのコロニー形成能はERK inhibitorで抑制された。ERK inhibitorはPC3, PC3DRの増殖能には影響しなかった。PC3DRではc-mycの高発現が認められ、ERK inhibitorで抑制された。C-mycのsiRNAを導入すると、 PC3DRのsoft agar上でのコロニー形成能は抑制された。c-mycにより遺伝子発現が亢進する遺伝子はDU145細胞ではCXCR4であったが、PC3DRにおいてもCXCR4遺伝子の高発現が明らかになった。CXCR4のアンタゴニストであるAMD3100により抗がん剤耐性株のスフェア形成能は著しく抑制された。C-mycのsiRNAを導入した場合も同様な阻害効果が得られた。そこで去勢抵抗性前立腺癌でDocetaxel抵抗性の臨床検体を用いて、CXCR4, p-ERK1/2, c-mycの発現をimmunohistochemistryの手法で調べると、いずれも高発現していることが明らかになり、臨床においても抗がん剤により、 CXCR4/ERK1/2/c-mycのループができていることが推測された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2013 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Residual prostate cancer cells after docetaxel therapy increases the tumorigenenic potential via constitutive CXCR4, ERK1/2 and c-myc signaling loop activation.2013

    • 著者名/発表者名
      Koji Hatano, et al. and Yasufumi Kaneda
    • 雑誌名

      Molecular Cancer Therapy

      巻: 11 ページ: 1088-1100

    • DOI

      10.1158/1541-7786.MCR-13-0029-T.

    • 査読あり
  • [学会発表] What will be needed for genetherapy in Japan?

    • 著者名/発表者名
      Yasufumi Kaneda
    • 学会等名
      第19回日本遺伝子治療学会
    • 発表場所
      岡山
    • 招待講演
  • [備考] 大阪大学大学院学系研究科遺伝子治療学

    • URL

      http://www.med.osaka-u.ac.jp/pub/gts/

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公開日: 2015-05-28  

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