研究課題/領域番号 |
24659157
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
赤尾 幸博 岐阜大学, 大学院連合創薬医療情報研究科, 教授 (00222505)
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キーワード | 分泌膜小胞 / RNA医薬搬送システム |
研究概要 |
RNA干渉を利用したRNA医薬を実現させるにはヌクレアーゼによる不活化から回避できる合併症のない薬物搬送システム(DDS)の確立が必須であり、近年リポソームやナノ分子ポリマーにRNAを包埋して試行されている。当研究では、目的のRNA分子をマクロファージが分泌する膜小胞をキャリアーとし、RNA分子搬送システムの構築を目指した。 「今年度の結果」これまでの研究成果によりin vitroにて最適化された方法を用いて、マウスの単球にex vivoで細胞を分化させ、がん抑制miRNA-143を導入し、坦癌ヌードマウスに投与すると腫瘍および腎臓にもmiR-143が有意に検出され、投与された細胞および細胞から分泌されたエキソゾームによってmiR-143が運搬されたと確認された。リポゾームの大きさ、miR-143、-145の化学修飾による影響について抗腫瘍効果、腫瘍内への移行を中心に蛍光miR-143、-145を作成し、組織への移行をReal-time PCRおよび形態学的に検討した。その結果、同様に腫瘍、肝臓、腎臓への移行が確認された。特に腫瘍には2倍以上のmiR-143が移行していた。さらに分泌膜小胞特異的に発現するマーカーCD81との抗原抗体反応により分泌膜小胞単離システムの構築を確立し、その過程においてトランスフェクション法の最適化に成功した。今後、抗体に変わる新たな低分子化合物の選定を行い、実用化に向けたさらなる研究を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
分泌膜小胞のみを単離してマウスの系で抗腫瘍効果を見ていない。本年度実施予定である。
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今後の研究の推進方策 |
効率良く分泌膜小胞を収集する方策を考え、担癌マウスにおける抗腫瘍効果を観察する。また、どのような組織に分布するかを確認する。分泌膜小胞の数はNanoSightで調べられるため、どのくらいの分泌膜小胞が生体に入ったかはある程度判定できる。効率良く分泌膜小胞を収集できなければ抗体に変わる新たな低分子化合物の選定を行い、実用化に向けた研究を行う予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究成果がまとまらず、発表を次年度に持ち越した。 時期は未定だが研究成果をまとめて本年度中に国際学会において発表予定である。
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