研究課題
アルツハイマー型認知症の特徴的な病理所見としてアミロイドベータタンパク質(Aβ)が蓄積した老人斑やリン酸化タウタンパク質が蓄積した神経原線維変化は有名である。これらタンパク質は、本来、正常な機能を果たしていたものがやがて様々な修飾を受け、異常化し、神経細胞の内側や外側に蓄積したためと考えられる。異常タンパク質の蓄積は、アルツハイマー型認知症をはじめ他の型の認知症でも観察される。本研究では、シトルリン化タンパク質を指標とした認知症の早期臨床診断薬を開発する。即ち、シトルリン化タンパク質を高感度に検出するELISAシステム(酵素免疫測定法)を構築し、臨床試験を実施する。平成25年度、シトルリン化タンパク質を包括的に捉える特異的なモノクローナル抗体を作製するため、ヒトPAD2を用いてヒストンをシトルリン化し、シトルリン化部位を化学修飾して、化学修飾シトルリン化ヒストン抗原を作製した。そして、この抗原をマウスに免役して、化学修飾シトルリン化タンパク質を特異的に認識するモノクローナル抗体を9クローン得ることに成功した。現在、これらの抗体を組み合わせて、化学修飾シトルリン化タンパク質を高感度に検出するELISAシステムを構築している。
2: おおむね順調に進展している
研究計画に記載した内容を順調に行うことができた。
現在、研究計画の変更や解決すべき課題等は特にない。
研究進行上、翌年度の使用が必要になったため。翌年度に全て使用する予定である。
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