研究課題
アルツハイマー型認知症の特徴的な病理所見としてアミロイドベータタンパク質(Aβ)が蓄積した老人斑やリン酸化タウタンパク質が蓄積した神経原線維変化は有名である。これらタンパク質は、本来、正常な機能を果たしていたものがやがて様々な修飾を受け、異常化し、神経細胞の内側や外側に蓄積したためと考えられる。異常タンパク質の蓄積は、アルツハイマー型認知症をはじめ他の型の認知症でも観察される。本研究では、シトルリン化タンパク質を指標とした認知症の早期臨床診断薬を開発する。即ち、シトルリン化タンパク質を高感度に検出するELISAシステム(酵素免疫測定法)を構築し、臨床試験を実施する。平成26年度、ヒトグリア線維性酸性タンパク質組換えタンパク質(rhGFAP)とヒト2型PAD(hPAD2)組換えタンパク質を用いて、シトルリン化ヒトGFAP(Cit-hGFAP)を作製した。また、プロテオーム解析により、シトルリン化部位を同定した。さらに、抗原としてCit-GFAPをマウスに免疫し、Cit-hGFAPに反応するモノクローナル抗体を得ることができた。免疫組織染色により、作製したモノクローナル抗体はAD脳の反応性アストロサイトを染色することがわかった。また、Cit-hGFAPを定量するサンドイッチELISAも開発した。
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