我々は、アルツハイマー病患者の脳でタンパク質中のアルギニンがシトルリンに変換した異常なタンパク質(シトルリン化タンパク質と総称)が早期に出現し、病状の進行程度に応じてその量が増加することを明らかにした。アルギニンをシトルリンに変換する酵素は、ペプチジルアルギニンデイミナーゼ(PAD)と呼ばれ、脳内の至る所に存在する。本研究では、シトルリン化タンパク質を指標とした認知症の早期臨床診断薬の開発を目的とし、シトルリン化タンパク質を特異的に認識するモノクローナル抗体を得ることに成功した。これらの抗体を組み合わせて、シトルリン化タンパク質を高感度に検出するELISAシステムを構築する。
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